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南京袋
「南京袋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南京袋の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「渦巻ける烏の群」より 著者:黒島伝治
器へ残飯をかきこんだ。 炊事場は、古い腐った漬物の臭いがした。それにバターと、
南京袋《なんきんぶくろ》の臭いがまざった。 調理台で、牛蒡《ごぼう》を切ってい....
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
に、腹の中で呟いた。彼の腰は据ってきた。 扉の中は暗かった。そこには、獣油や、
南京袋の臭いのような毛唐の体臭が残っていた。栗本は、強く、扉を突きのけて這入って....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
ら、歯にはさまったするめっていた。 余程過ぎてからだった。――「糞壺」の階段を
南京袋のように漁夫が転がって来た。着物と右手がすっかり血まみれになっていた。 「....
「一太と母」より 著者:宮本百合子
ら、 「今かえんのかい?」 と訊いた。 「うん」 一太は立ちどまって、善さんが
南京袋をかついで来ては荷車に積むのや、モーターで動いている杵《きね》を眺めた。 ....
「雪のシベリア」より 著者:黒島伝治
く四方から集って来た力強い男に腕を掴まれ、銃をもぎ取られてしまった。 吉田は、
南京袋のような臭気を持っている若者にねじ伏せられて、息が止まりそうだった。 大....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
ジャガ芋、カボチャ、キャベツ、等々。全部はリュックに入らないから、野菜類は二ツの
南京袋に入れて縄でくくって、リュックの両側へぶらさげた。 アズキ二貫目はなんの....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
精根使い果たした全日本人が身にしみたところであろう。 古い毛布を利用して大きな
南京袋をこしらえる。この袋の入口にヒモを通す。この中へスッポリもぐりこんで、顔だ....
「白い道」より 著者:徳永直
し下に、ひよけのむしろをたらして、三吉は竹のひしゃくをつくっている。縄でしばった
南京袋の前だれをあてて、直径五寸もある大きな孟宗竹の根を両足の親指でふんまえて、....