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南方
「南方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
りの後《のち》、そろそろ春風《しゅんぷう》が動きだしたのを潮《しお》に、私は独り
南方へ、旅をすることになりました。そこで翁《おう》にその話をすると、
「ではちょ....
「或る女」より 著者:有島武郎
ての物を押しひしゃげていた。雪をたっぷり含んだ空だけが、その間とわずかに争って、
南方には見られぬ暗い、燐《りん》のような、さびしい光を残していた。一種のテンポを....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
は九州の血を持った人であった。その間に生まれた母であるから、国籍は北にあっても、
南方の血が多かった。維新の際南部藩が朝敵にまわったため、母は十二、三から流離の苦....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
西南をさす一連の山波が、地平から力強く伸び上がってだんだん高くなりながら、岩内の
南方へ走って来ると、そこに図らずも陸の果てがあったので、突然水ぎわに走りよった奔....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ているのにその比重は一六〇〇分の一にすぎない。 光輝の強いカノプス(これは天の
南方にある)、リーゲル(オリオン座の)及びデネブ(白鳥座の)もまた太陽より数千倍....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
パリを大兵力をもって攻囲した上、更に七軍団(十四師団)の強大な兵団をもってパリ西
南方から遠く迂回し、敵主力の背後を攻撃するという真に雄大なものでありました(二五....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
。ことに日本のような木造家屋の場合この定理は通用せぬ。 敵は近来白昼ゆうゆうと
南方洋上に集結し編隊を組み、一時間も経過して侵入してくるが、ずいぶんみくびったや....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
地盤の下にある岩石を見るのも初めてであり、ことにフランスの海岸に近づくと、熱心に
南方を眺め、岸に着いては労働者を見て、文明の劣れる国だと驚いた。 それから税関....
「錦紗」より 著者:犬田卯
み煙草をつめ、やおら言い出した。 「買いものに出るには日が悪かったな。先負の、東
南方旅立ち事故生ずという日にあたっていたから、昨日は……午後からなら別段のことは....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
って八月で流産しないとも限らぬのである。夫人は名を才子という、細川氏、父君は以前
南方に知事たりしもの、当時さる会社の副頭取を勤めておらるる。この名望家の令嬢で、....
「迷信解」より 著者:井上円了
、民間にて「丙午の女は男を殺す」との諺があるが、その意は、丙は陽火に当たり、午は
南方の火に当たるゆえに、火に火を加えたるものなれば、その力、男を殺すべき性質であ....
「西航日録」より 著者:井上円了
たかも日本の二月ごろの気候にひとし。かかる気候の激変のために、余も微恙にかかり、
南方の海岸にて静養せんと欲し、四月十七日朝ロンドンを発し、へースティングズ(Ha....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
向何処影、摩尼拉海呂宋山。 (はれやかな波と涼しげな月、汽笛の音ものどかに、船は
南方の星の下をよじのぼるように行く。あかつきにはガラス窓にいずこかの陸影がみえた....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
比してひどく疲労を感ぜしめられる。それは既に長距離を歩いて来た為ばかりではない。
南方の天空へ廻って来た日輪は、南面の山腹へ対して万遍なくその光を直射しその熱をふ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
としては最も穏健な策であったが(大王自身の反省)、軍事的に自信力を得た大王は更に
南方に進み、墺軍の交通線を脅威して墺軍を屈伏せしめんとしたが、仏軍の無為に乗じて....