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「南欧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

南欧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
いヘヤピンであった。彼はそれをソッと鼻の先へもっていった。 「ああピザンチノだ。南欧の菫草からとれるという有名な高級香水の匂いだ、全く僕の思った通りだ。糸子さん....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
人の目にはさだめて異様であったろうと思うわれわれ一組の観客の前を、美しくよごれた南欧の町の光景がただあわただしく走り過ぎて行った。 停車場へ着いてポンペイ行き....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
レヂコフスキイが、かくの如く当時の空気を彷彿せしめることを得たのは、一つには彼が南欧地方を巡遊したと云う経験を持っていたと云うことにもよるであろうが彼の学究的態....
二つの正月」より 著者:寺田寅彦
九州の武雄温泉で迎えた明治三十年の正月と南欧のナポリで遭った明治四十三年の正月とこの二つの旅中の正月の記憶がどういう訳か....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
いのである。これに反してエトナ、ヴェスヴィオ、ストロンボリ以下多数の火山を有する南欧イタリアの国土には当然にふさわしいシーザーが現われファシズムが生れた。今眼前....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
るいは野生|薄荷《はっか》の香《かお》りのように、弾力性の律動《リズム》を有する南欧のあでやかな抑揚が踊っていた。アルル国のオフェリア姫ともいうべき不思議な幻影....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の名声だけで生きていて、それを損じないようにしていた。また弁舌家もいた。たいてい南欧の者だった。この連中はどんなことでも話した。価値にたいする感じを具えていなか....
風博士」より 著者:坂口安吾
? 否否否、万辺否。余はここに敢て彼の無学を公開せんとするものである。 諸君は南欧の小部落バスクを認識せらるるであろうか? もしも諸君が仏蘭西、西班牙両国の国....
貞操問答」より 著者:菊池寛
。 周囲が周囲だけに、モダンな表構えの家が、劃然と目に立っていた。見るからに、南欧風の明るく小ぢんまりした構えで、扉は何か作りつけているらしく、開け放たれて、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
は書見をしていた。机の上には開かれた一冊の書物が載っている。鶴見はその本の中で、南欧の美しい風景を心ゆくばかり眺めている。海のあなたにはあの有名な活火山が隠さね....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
りに……むしろ眼の縁だけに燐光を帯びている獣だそうだ。まあ聞きたまえ読むからね」南欧桜の咽せ返るような濃厚な花の香が窓を通して室の中いっぱいに拡がっていた。その....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
島には判らない。だがまた斯うして居る時程この娘は美しく見える。イベットはもともと南欧ラテン民族の抜ける様な白い額から頬へかけうっすり素焼の赭土色を帯びた下ぶくれ....
ヒトラーの健全性」より 著者:国枝史郎
とさえ試みられている。 それは順を追っての革新ではなくて、マリネッチなどという南欧情熱の子が、天来の芸術的恍惚裡に於て、唐突に、直感的に創造した変質芸術ともい....
「可愛い女 犬を連れた奥さん 他一編」あとがき」より 著者:神西清
をもちいなければならなくなった時代である。前年の晩秋から一八九八年の春へかけての南欧の旅(彼の生涯では三回目の)も、医師の切なる勧めによるものであったし、この年....
彼等流浪す」より 著者:小川未明
々等は、バーンズによって、永久に芸術に生かされている。 北方派の画家等にして、南欧の明るい風光に、一たび浴さんとしないものはない。彼等は、仏蘭西に行き、伊太利....