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「南洲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

南洲の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
「同じ汽車に乗っているのだから、君さえ見ようと云えば、今でも見られます。もっとも南洲《なんしゅう》先生はもう眠《ねむっ》てしまったかも知れないが、なにこの一つ前....
未帰還の友に」より 著者:太宰治
「しかし、少くとも、見栄ではない。見栄で酒を飲む人なんか無い。」 僕は公園の南洲の銅像の近くの茶店にはいって、酒は無いかと聞いてみた。有る筈《はず》はない。....
自叙伝」より 著者:大杉栄
た。 が、とにかく立ちあがった。するとふいに、最近に買って読んだ、誰だかの西郷南洲論を思いだした。僕はいい見つけものをしたつもりで、「西郷南洲です」と答えた。....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
は際限が無かった。久しぶりに家に還って、何の愉快もなく、飯も喰わずに唯|哭いた。南洲の死も八千の子弟の運命も彼には何の交渉もなく、西南役は何よりも彼の大切なオブ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
頭上には高く両陛下の御影を掲げつ。下りてかなたの一面には「成仁」の額あり。落款は南洲なり。架上に書あり。暖炉縁の上、すみなる三角|棚の上には、内外人の写真七八枚....
たずねびと」より 著者:太宰治
ました。このあたりも、まず、あらかた焼かれていました。私は上野公園の石段を登り、南洲の銅像のところから浅草のほうを眺めました。湖水の底の水草のむらがりを見る思い....
十二支考」より 著者:南方熊楠
で、最も楽しい所の意味だろう。 しかるに、『起世因本経』八には北洲が吾人の住む南洲に勝る事三つ、一には彼人我我所なし、二には寿命最も長し、三には勝上行あり、南....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
となし得ようか、三帝を流し奉りし北条の徒を英雄となし得ようか、諸君! 諸君は西郷南洲を英雄なりと称す、はたしてかれは英雄であるか、かれは傑出したる人材に相違ない....
諸国の玩具」より 著者:淡島寒月
て足らないのを駒形の眼鏡屋が磨りました。而して軍艦の上に、西郷吉之助と署名して、南洲翁が横額に「万国一覧」と書いたのです。父はああいう奇人で、儲ける考えもなかっ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に河村清雄の竜の油絵がかかっている。この客間の次の小間が「海舟書屋」で元の書斎。南洲や甲東と屡々密話清話した歴史的な小部屋だ。これらを右に見て長廊下を五間ほど行....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
からず」といっている。 第四章 外は柔、内は剛 英雄に現れた内外の差違 西郷南洲《さいごうなんしゅう》が始めて橋本|左内《さない》に会うたとき、こんな柔しい....
回想録」より 著者:高村光太郎
勢で作った。私は小学校の往還りに彼処を通るので、始終立寄って見ていた。あの像は、南洲を知っているという顕官が沢山いるので、いろんな人が見に来て皆自分が接した南洲....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、二、三の会員と談話を交ゆ。当日、郊外にて詠じたる一首あり。 暁雨漸収雲未、風冷南洲五月秋。 (あけがたの雨がようやくおさまったが、雲はまだ空をおおって、晴れる....
「死」の問題に対して」より 著者:新渡戸稲造
もない、当り前の通りにして死ぬる様は、これこそ実に敬服に値するのである。僕は日頃南洲翁を崇拝するものであるが、この点に於ても益々翁の偉大なることが分る。如何にも....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
見まわすと、窓の上、四方の板壁には、フランクリン、リンコルン、ビスマークだ、西郷南洲、そうした世界的英雄の廉物の三色版がさも大業に掲げられてあった。なるほど、此....