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「南無〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

南無の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
りました。積善《せきぜん》の家に余慶《よけい》ありとは誠にこの事でありましょう。南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》。南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》。」 (大正十二年十二月)....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と、見る間にその顔が気色《けしき》を和《やわら》げて、やがて口とも覚しい所から「南無《なむ》」と云う声が洩れるや否や、たちまち跡方《あとかた》もなく消え失せたと....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
の祭壇の後《うしろ》に、じっと頭を垂れたまま、熱心にこう云う祈祷を凝らした。 「南無《なむ》大慈大悲の泥烏須如来《デウスにょらい》! 私《わたくし》はリスポアを....
おしの」より 著者:芥川竜之介
ぶと》さえ奪われて居ったそうでございます。それでも合戦《かっせん》と云う日には、南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》と大文字《だいもんじ》に書いた紙の羽織《はおり》を....
葬儀記」より 著者:芥川竜之介
りしかない。そばに立つと、眼と鼻の間に、中が見下された。中には、細くきざんだ紙に南無阿弥陀仏《なむあみだぶつ》と書いたのが、雪のようにふりまいてある。先生の顔は....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
碍《さんがくむげ》、億億衆生引導《おくおくしゅじょういんどう》の能化《のうげ》、南無大慈大悲《なむだいじだいひ》釈迦牟尼如来《しゃかむににょらい》も、三十二|相....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、自分はいまだ一面識も無いから、門生の主税から紹介をして貰いたいと言うのである。南無三、橋は渡った、いつの間にか、お妙は試験済の合格になった。 今は表向に縁談....
海異記」より 著者:泉鏡花
は出ても、狙は違えず、真黒な羽をばさりと落して、奴、おさえろ、と見向もせず、また南無阿弥陀で手内職。 晩のお菜に、煮たわ、喰ったわ、その数三万三千三百さるほど....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
そもそとした奴が、ぶらりと出たわ、揖斐川の獺の。」 「ほい、」 と視めて、 「南無三宝。」と慌しく引込める。 「何んじゃそれは。」 「ははははは、拙者うまれつ....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いたと思うと、先生の身体は左右へふらふらして動いたが、不思議な事には倒れません。南無三宝。 片手づきに、白襟の衣紋を外らして仰向きになんなすった、若奥様の水晶....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
青紫蘇を粉にしたのじゃがの、毒にはならぬで、まいれ。」 と湯気の立つ茶椀。――南無三宝、茶が切れた。 「ほんにの、これが春で、餅草があると、私が手に、すぐに団....
縁結び」より 著者:泉鏡花
れません。爺さんは、」 「私かい。講中にちっと折込みがあって、これから通夜じゃ、南無妙、」 と口をむぐむぐさしたが、 「はははは、私ぐらいの年の婆さまじゃ、お....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、ざらりと外套の袖の揺れたるのみ。 かっと逆上せて、堪らずぬっくり突立ったが、南無三物音が、とぎょッとした。 あッという声がして、女中が襖をと思うに似ず、寂....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
「あ、」と不意に呼吸を引いた。濡れしおたれた黒髪に、玉のつらなる雫をかくれば、南無三浪に攫わるる、と背を抱くのに身を恁せて、観念した顔の、気高きまでに莞爾とし....
活人形」より 著者:泉鏡花
へ片手を懸けたる折こそあれ。部室の外にどやどやと跫音して、二三人が来れる様子に、南無三宝飛び退りて再び日蔽の影に潜みぬ。 高田の下男銀平は、下枝を捜し出さんと....