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「南紀〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

南紀の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
ンスレコードは集めたが、踊りたがらなかった。二年たって、八重子は軽い肺炎に罹り、南紀の白浜温泉に出養生した。ある日、彼が見舞いに行くと、八重子は旅館のホールで見....
十二支考」より 著者:南方熊楠
絶えず、したがって蟻《あり》が一道を行きてやまざるを熊野参りに比したとあり。今も南紀の小児、蟻を見れば「蟻もダンナもよってこい、熊野参りにしょうら」と唱うるは、....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
道であるのだ。 (「美術新論」昭和五年四月) 地中海の石ころ 去年の夏、南紀の海辺に寝そべった私は、久しぶりで広々とした大洋を眺めることが出来た。寝てい....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
。そして三年後には「自分を見出した」という言い方をもう一度使いますと、流れ流れて南紀の白浜の温泉の宿の客引をしている自分を見出しました。もっともその三年の間、せ....
植物人間」より 著者:蘭郁二郎
うにしながら、舌打ちをまぜて歩いていた。どうやら道を間違えてしまったらしいのだ。南紀の徒歩旅行を思い立って田辺町から会津川を遡り、奇岩怪峰で有名な奇絶峡を見、あ....
わが童心」より 著者:佐藤垢石
汰の御わびまで。敬具。 私はこの旧友の久し振りの手紙を、二度三度目誦した。友は南紀熊野の故郷に帰り住み、大自然の懐ろに抱かれ、心豊かに幸福に暮らしているらしい....
たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
一 伊勢へななたび熊野へさんど、という文句があるが、私は今年の夏六月と八月の二度、南紀新宮の奥、瀞八丁の下手を流れる熊野川へ、鮎を訪ねて旅して行った。秋の落ち鮎に....
」より 著者:佐藤垢石
南紀の熊野川で、はじめて鮎の友釣りを試みたのは、昭和十五年の六月初旬であった。そ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
、また。(二六・二・二五) “お断り”から先に書く。 これは旧冬、伊勢、志摩、南紀、熊野、那智、大阪、神戸|界隈までを誌上にすませた先の史蹟紀行の後半を成すも....
野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
イタクラという一種の方言である。私が始めてこの一語を発見したのは、森彦太郎君の『南紀土俗資料』であった。和歌山県の日高郡、殊に山路と称する山中の村々では、スズメ....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
だ、――と彼は語り出した。彼が二十一歳の時の話という。 ――その女を見たのは、南紀白浜温泉の夜更けの海岸だった。その頃京都高等学校の生徒であったぼくは肺患の療....