南蛮鉄[語句情報] »
南蛮鉄
「南蛮鉄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
南蛮鉄の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
》をして朝飯を食っている。主人は一応この三女子の顔を公平に見渡した。とん子の顔は
南蛮鉄《なんばんてつ》の刀の鍔《つば》のような輪廓《りんかく》を有している。すん....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
らしく、先ず第一に太刀がひと口、つづいて小脇差が二腰、飾り巻の弓が三張り、それに
南蛮鉄の鉄扇五挺を加えて都合十一品でした。 いずれも水引奉書に飾り立てた品々が....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
暫時お借り申すぞ。――では、おいで召されよ。いざッ」 さッと身を引いて六寸八分
南蛮鉄の只一本に、九尺柄タンポ槍の敵の得物をぴたりと片手正眼に受けとめたあざやか....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
「おのれ、いわせて置けば!」
さすがに、刀に手はかけなかったが、掴み直した、
南蛮鉄の鉄扇、一尺五寸もあるのを、振り上げさまに、
「えい!」
と打ち込んで来....
「マードック先生の『日本歴史』」より 著者:夏目漱石
》しき病毒を社会に植付けつつある。夜番《よばん》のために正宗《まさむね》の名刀と
南蛮鉄《なんばんてつ》の具足《ぐそく》とを買うべく余儀なくせられたる家族は、沢庵....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ある刀を眺めて。 侍「亭主や、其処の黒糸だか紺糸だか知れんが、あの黒い色の刀柄に
南蛮鉄の鍔が附いた刀は誠に善さそうな品だな、ちょっとお見せ」 亭「へい/\、こり....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
たが、ガーンという音と共に、太刀持つ拙者の手がピーンと痺れて厶る。黒装束の下に、
南蛮鉄の一枚|肋の鎧を着込んでいたようで厶る。御師範といえども、所詮あれでは切れ....
「形」より 著者:菊池寛
て、またゆうゆうと味方の陣へ引き返した。 その日に限って、黒皮|縅の冑を着て、
南蛮鉄の兜をかぶっていた中村新兵衛は、会心の微笑を含みながら、猩々緋の武者のはな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ろでげして、それからはばきが金、切羽《せっぱ》が金、しとどめが金――鍔《つば》が
南蛮鉄に銀ぞうがん……小柄《こづか》は鳥金七子地《とりがねななこじ》へ金紋虎《き....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を切って栄三郎の肩口へ! と見えた瞬間《しゅんかん》、武蔵太郎の大鍔《おおつば》
南蛮鉄、ガッ! と下から噛み返して、強打した金物のにおいが一|抹《まつ》の闘気を....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ず、だぶだぶになった茶色の中折、至極大ものを膝の上。両手を鍔の下へ、重々しゅう、
南蛮鉄、五枚|錣の鉢兜を脱いで、陣中に憩った形でござったが、さてその耳の敏い事。....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
の」 「若侍たちの水馬も、日に日に上達してまいります」 「蜂須賀武士じゃ!」 「
南蛮鉄のような皮膚――」 「あれへ具足を着込ませたら、よもや江戸の青ひょろけはと....