単弁[語句情報] »
単弁
「単弁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
単弁の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を一丈も二丈も這いまわり、人知れず穀菜に仇なす無名草もある。厄介なのは、地縛り。
単弁の黄なる小菊の様に可憐な花をしながら、蔓延又蔓延、糸の様な蔓は引けば直ぐ切れ....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
レに移って行く。私の母はこの最後のフェーズを「散り菊」と名づけていた。ほんとうに
単弁の菊のしおれかかったような形である。「チリギクチリギク/\」こう言ってはやし....
「夏遠き山」より 著者:宮本百合子
って心が傾きかかった。日ごとに白い花の数は増して、やがて恰好よい樹がすっかり白い
単弁の花と覗き出した柔い若葉でつつまれた。幾日かかかって花は満開になったのだ。そ....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
だ、どこの原産かねとたずねた。よせばいいのに長謙さんは得意になって、 「こちらの
単弁は〈イル・ド・フランス〉という銘柄のあるフランスの原産で、こちらの大輪は〈エ....
「上野」より 著者:永井荷風
ある。之を小西湖佳話について見るに、「東台ノ一山処トシテ桜樹ナラザルハ無シ。其ノ
単弁淡紅ニシテ彼岸桜ト称スル者最多シ。古又嘗テ吉野山ノ種ヲ移植スト云フ。毎歳立春....
「紫式部」より 著者:長谷川時雨
がって育てると、葉は紫苑《しおん》のさきの方に似て稍《やや》強く、スッとして花は
単弁で野菊に似て稍《やや》大きかった。 その葉の色の青さ、その花の色の紫、それ....