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単数
「単数〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
単数の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「勲章を貰う話」より 著者:菊池寛
めさせなければいいのだ。お前は、もうすぐ死ぬのではないか。その前に殺した人の数が
単数であるか複数であるか、それがいかなる相違をなすのだ。リザベッタを完全にお前の....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
羅蜜多ということ菩提心を発して、浄土へ往生せん」ということです。したがって小乗は
単数、大乗は複数です。小乗は「私」ですが、大乗は「我等」です。小乗は自利、大乗は....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
持ち来ったタチガイを見るに二種あり。いずれもピンナ属のもので、ピンナはラテン語、
単数で羽、複数の時は翼の義、形が似たので名づく。いずれも海底に直立し、口の下端に....
「人生の共感」より 著者:宮本百合子
も自覚しないということはないであろう。在来の私小説はその発生の必然から、私は常に
単数でしかあり得なかった。今日の生活の感覚は、私をもっと拡大しており、又複数にも....
「『静かなる愛』と『諸国の天女』」より 著者:宮本百合子
として生きるものか、とうたわれているとおり包括のひろさにかかわらず、女という響は
単数で響いている。女である故にめぐりあったこの世の惨苦を、女である故にもつことの....
「討論に即しての感想」より 著者:宮本百合子
、志賀直哉の文学を頂点としなければならなかった「私」は、民主主義の達成の一歩毎に
単数の「私」から人民的複数の「私」に展開されます。小林多喜二の時代非合法であった....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
マニズムをそういう元素の形で取り出せるならそのヒューマニズムの元素自身が、決して
単数のものではないだろう。例えばルネサンス的ヒューマニズムは一つの元素であって、....
「本棚」より 著者:宮本百合子
私の生活の物語は失われることはないだろう。」 現代の歴史では、ドン・キホーテが
単数で語ったところが複数で、人間が現実を生きつづける力として、私たちに脈々と聴えて来ると感じられる。 〔一九四一年十月〕....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あいいよ、と云われている声や眼やすべてを感じて居ります。これは正銘だと思います。
単数で表現されているものではないと思われもします。ああだけれども、やっぱりこの顫....
「道化役」より 著者:豊島与志雄
。僕はそれを長い間疑ってきた……。」 右の言のうち、芸者たちという複数の言葉を
単数に置換えると、村尾と千代次のことになるらしい。そして村尾は、恐らく金貸の室に....
「悲しい誤解」より 著者:豊島与志雄
日の懇談会には、僕たちで、爆弾を投じてやろうじゃないか。」 僕たち……やはり、
単数の僕ではなかった。力は団結から出て来るものだが、団結は個々の意志に依るもので....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
あざ笑ふ」の「あさ」は「あさみ笑ふ」の「あさ」かと思うがこれは に通じる。一人称
単数現在なら hasami だからよく似ている。〔ha_sita〕 は笑うべき事....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
お在りになるんでしょう。」と訊ねた。 「ございましてよ。貴君のように複数でなく、
単数で……ほほほ。」 「は、はア。これはたいへん失礼致しました。失礼ですが、先刻....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
中に収められている。 註六 私は maxima(複数)といって、maximum(
単数)といわない。〔The'orie de la monnaie〕 の初めの二編....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
応な目標をもっていたが、われわれ(これはチェーホフの例の一般化のくせで、この場合
単数にとって少くも不都合はない)にはそれがない。手近かなところで農奴制の廃止とか....