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「博労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

博労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
えさせられたのであった。 その晩に亀吉が来た。その報告によると、けさから方々の博労《ばくろう》を問い合わせてみたが、どこへも馬を売りに来た者は無いらしいと云う....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
大正3・8) 秋雨を衝いて箱根の旧道を下る。笈の平の茶店に休むと、神崎与五郎が博労の丑五郎に詫証文をかいた故蹟という立て札がみえる。 五、六日まえに修学旅行....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
街道には、毛付け(木曾福島に立つ馬市)から帰って来る百姓、木曾駒をひき連れた博労なぞが笠と合羽で、本陣の門前を通り過ぎつつある。半蔵はこの長雨にぬれて来た仙....
小村淡彩」より 著者:宮本百合子
。 お柳が出てから、間のない夕方であった。いしが、例によって台所にいると、店に博労の重次が訪ねて来た。 「おかみさん、一寸手ははなせねえか、話のあった娘っ子が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
物があったのを、つい忘れて立寄らなかった洒落でしょう。蕨《わらび》の奈良茶、上尾博労新田《あげおばくろうしんでん》の酒屋、浦和|焼米坂《やきごめざか》の焼米、と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 手拍子パチパチ。 「榾《ほた》三束、蝋燭《ろうそく》二十梃、わき本陣様より博労《ばくろう》の権《ごん》の衛門《えもん》に下さる」 手拍子パチパチ。 拍....
二つの短い話」より 著者:ケネディパトリック
口が見えると云うことがあります。凡そ百年ばかり昔、夜道でおくれ、一杯機嫌の一人の博労が、燈火のついている巖窟を見つけ、中に入って行って見ました。燈火、四辺のひっ....
見えざる人」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
は奇妙とでもいうんでしょうか。一人の方は驚くほどの小男で、まるで侏儒か、せいぜい博労ぐらいにしか見えない男でした、けれども彼は全く博労とも見えませんでしたわ、円....
剣侠」より 著者:国枝史郎
、欄干越しに往来を見た。 一挺の駕籠を取り巻いて、博徒らしい五人の荒くれ男と、博労らしい四人の男とが、傍若無人に肩で風切り、往来の左右に佇んで、一種怖そうに一....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
るだろうが、当時おれもまだ三十七歳、若かった、惚れていたのだ。 ところが、この博労町の金米糖屋の娘は余程馬鹿な娘で、相手もあろうにお前のものになってしまった。....
百姓の夢」より 著者:小川未明
。」と、黄銅のきせるをくわえて、すぱすぱたばこをすいながら、さげすむようにいった博労もありました。 そんなときは、百|姓は、振り向いて後ろに首垂れている、自分....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
の感を昂めた。 賀川市長は少し遠く歩くことが出来るようになったので、久方ぶりに博労町五丁目の毛布問屋恵比寿屋吉兵衛さんの所に遊びに行った。吉兵衛さんとは購買組....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
っぷり町の西北を囲ってはいるが、ここに纏まっている宵の燈には、酒のにおいだの――博労の声だの、機屋のおさの響きだの、問屋場役人の呶鳴る声だの、町芸人の佗しい音楽....
私本太平記」より 著者:吉川英治
と一ト頃、里は暗澹としていたが、なんのことはない、例年のごとく牧の馬や牛を引いた博労が、ぞくぞく伯耆平野を過ぎりはじめてもいる。 「長年、お召しぞ」 ある日、....
野槌の百」より 著者:吉川英治
いそう馬が集まっているな」 「へい、あしたは、八王子に馬市が立ちますんで、甲州の博労が、たくさん上って来ております」 「馬市か、道理で」 「旦那あ、大菩薩から山....