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卯
「卯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
卯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
おいき》の下闇に致したかった。あすこは夏の月夜には、せせらぎの音が間近く聞えて、
卯《う》の花の白く仄《ほのめ》くのも一段と風情《ふぜい》を添える所じゃ。もっとも....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
二三度|下《げ》びた笑い声を出した。
「御生れ年も御存知かな? いや、よろしい、
卯《う》の一白《いっぱく》になります。」
老人は金襴の袋から、穴銭《あなせん》....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
びければ、上様《うえさま》には御満悦《ごまんえつ》に思召《おぼしめ》され、翌朝|
卯《う》の刻《こく》御供揃《おともぞろ》い相済み、市川村へ御成《おな》りあり。鷹....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
さい》らしく尋ねたそうです。「男は二十三――酉年です。」「女はの。」「十七。」「
卯年よの。」「生れ月《づき》は――」「措《お》かっしゃい。年ばかりでも知りょうて....
「星座」より 著者:有島武郎
の内も暖いのを彼は拒むことができなかった。あれだけをおっかあに渡して、あれだけを
卯三公にやって、あれだけであの本を買って……と、残るぞ。二晩は遊べるな。……と、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
その英吉が、金の性、お妙が、土性であることは、あらかじめお蔦が美い指の節から、寅
卯戌亥と繰出したものである。 半吉ででもある事か、大に吉は、主税に取って、一向....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
に婚礼や何かを想像するよりもまず戦争を思い出すのである。 三五 久井田
卯之助 久井田という文字は違っているかもしれない。僕はただ彼のことをヒサイダさ....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
並べてある。田舎者が春画を見てては釣られるのです。この辺では屋台店がまた盛んで、
卯之花鮨とか、おでんとか、何でも八文で後には百文になったです。この両国の雑踏の間....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
その時、ちゃら金が、ご新姐に、手づくりのお惣菜、麁末なもの、と重詰の豆府滓、……
卯の花を煎ったのに、繊の生姜で小気転を利かせ、酢にした※鰯で気前を見せたのを一重....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は綺麗好きだと見える。真白な手拭が、」 と言いかけてしばらく黙った。 今年より
卯月八日は吉日よ 尾長蛆虫成敗ぞする 「ここに倒にはってあるのは、これは....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
の寂しい。四月の末だというのに、湿気を含んだ夜風が、さらさらと辻惑いに吹迷って、
卯の花を乱すばかり、颯と、その看板の面を渡った。 扉を押すと、反動でドンと閉っ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
あの辺は家々の庭背戸が相応に広く、板塀、裏木戸、生垣の幾曲り、で、根岸の里の雪の
卯の花、水の紫陽花の風情はないが、木瓜、山吹の覗かれる窪地の屋敷町で、そのどこか....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
西も分かず一筋およそ十四五町の間、雪のごとく、霞のごとく敷詰めた白い花。と見ると
卯の花のようで、よく山奥の溪間、流に添うて群生ずる、のりうつぎ(サビタの一種)で....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
はこのことで。 まだ私が母様のお腹に居た時分だッて、そういいましたっけ。 初
卯の日、母様が腰元を二人連れて、市の
卯辰の方の天神様へお参んなすって、晩方帰って....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
中で、可心――という俳人が手づくろいに古屏風の張替をしようとして――(北枝編――
卯辰集)――が、屏風の下張りに残っていたのを発見して、……およそ百歳の古をなつか....