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「危殆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

危殆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
とは覚えていないが、さる警察署長から上申書が提出されて、その中には、国家の威令が危殆《きたい》に瀕していること、警察署長という神聖な肩書がむやみに濫用されている....
十二支考」より 著者:南方熊楠
は権なりとあって虎の決断を褒《ほ》め居る。ロメーンスの説に狐が足を係蹄に捉われて危殆と見ると即刻自ら咬み切って逃ぐるは事実だとある。『大英類典《エンサイクロペジ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
は外国に侮られ、内は敵愾の気を失い、人心は惰弱に風俗は日々|頽廃しつつあるような危殆きわまる国家は、これを救うに武の道をもってするのほか、決して他の術がないとは....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
庭先で大騒ぎが起った。飛び起きて見ると、聯合軍は野犬二疋の来襲に遇うて、形勢頗る危殆であった。 白と黒は大の仲好になって、始終共に遊んだ。ある日近所の与右衛門....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
、ここに第三日を迎えた。しかし依然としてその手懸りはない。夫人の生命は今や絶対に危殆に瀕している。本社は、今より二十四時間以内に問題の繭子夫人の隠匿場所又はその....
社会時評」より 著者:戸坂潤
るのは〇〇〇〇市区議員や上級吏員や市長や助役ばかりではない。吏道の統制そのものが危殆に瀕するかも知れないのだ。すでに××××に於てこの現象は極めて著しい。文官官....
死者の書」より 著者:折口信夫
取り残された石城の為に、何だか屋敷へ入ることが、物忌み――たぶう――を犯すような危殆な心持ちで、誰も彼も、柵まで又、門まで来ては、かいまみしてひき還すより上の勇....
丹下左膳」より 著者:林不忘
腕の丹下左膳を救うべく! それはいいが、左膳が何にたずさわり、そしていかにして危殆《きたい》に迫っているのか? したがって自分らは左膳に与《くみ》してどんな筋....
失われた半身」より 著者:豊島与志雄
た一角が、崩れかけてるようだ。それは重大なことで、もしその一角が崩れれば、全部が危殆に頻する。おれの生活全体が、おれの思想全体が、がらがらと崩壊するかも知れない....
乾杯」より 著者:豊島与志雄
、これではいけないと思いました。なにか新たな生活を、幻想的に追求しました。資産の危殆も却って快いものに思われました。そして新たな出発線を、亡父の五十日忌に置きま....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ある。 クロオメは1)、一国の結婚が四以下の出生を生ずるときには、人口が極めて危殆《きたい》な状態にある、と云い、そして結婚の出産性を年出生の結婚に対する比率....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
その富を主として商工業から得た民族は、その富の基礎が農業である民族に比して、全く危殆な存在である。全収入の最も本質的な部分が他国により供給される国家が、この重要....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
だれひとり知らぬうちに、沼間氏はいつの間にか一文なしになり、銀行の経済状態までが危殆に瀕していたのである。 沼間氏が、沼間銀行を通じて莫大な投資をしていた『択....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
りました。 チベットではある種類の病人は日中睡ったためにだんだん発熱が増加して危殆に陥ることがある。その病気は大抵風邪という類、それからチベットの水腫病という....
尊攘戦略史」より 著者:服部之総
み》等、鄙野匹夫《ひやひっぷ》の暴説を信用し、宇内《うだい》の形勢を察せず国家の危殆《きたい》を思はず、朕《ちん》が命を矯《ため》て軽率に攘夷の令を布告し、妄《....