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危険思想
「危険思想〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
危険思想の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
く》のごときは大体|上《かみ》のような意見と共に、蟹の猿を殺したのも多少は流行の
危険思想にかぶれたのであろうと論断した。そのせいか蟹の仇打《かたきう》ち以来、某....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
すれば、完全なるユウトピアと思ったものも忽《たちま》ち不完全に感ぜられてしまう。
危険思想
危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。
悪
....
「誰」より 著者:太宰治
事であるが、なんだか話が、うますぎる。サタンと天使が同族であるというような事は、
危険思想である。私には、サタンがそんな可愛らしい河童《かっぱ》みたいなものだとは....
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
とはなんという窮屈な世の中だろう。近頃ではあまりいわれないようだが、しとしきり「
危険思想」という言葉が大分流行した。自分には今もってその言葉のわけがよく呑み込め....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ルダノ・ブルノもまたこの説を熱心に唱道した。この説は当時の神学者から見ると非常な
危険思想であってその罪を贖うにはただ焚殺の刑あるのみと考えられたのである。ガリレ....
「反戦文学論」より 著者:黒島伝治
××にしなければ、今日では恐らく発禁ものであろう。 当時、大町桂月が、この詩が
危険思想であるというので非難した。国を挙げて戦争に熱狂していた頃である。戦争反対....
「読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
ん、外国の読本の直訳に相違ないのであるが、今考えてみるとその時代としては恐ろしい
危険思想を包有した文句であった。先生が一句ずつ読んで聞かせると、生徒はすぐ声をそ....
「北氷洋の氷の割れる音」より 著者:寺田寅彦
たないうちに消えてしまわなければ変化してしまう。日本には昔からずいぶんいろいろな
危険思想が海外から幾度となく輸入されたが、それが抑圧に抗しながらやっと土着するこ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
・東洋主義乃至アジア主義・其他々々の「ニッポン」イデオロギーが(ニホンと読むのは
危険思想だそうだ)大量的に生産され、夫が言論界や文学や科学の世界にまで浸み渡り始....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
のである。 多分多くの学者は考えるだろう。マルクス主義は共産主義である、夫は「
危険思想」である、それは「国民道徳」に反する、処がそのマルクス主義の唯物弁証法が....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
とも、不法だというのである。一体今日では伝統を無視するということそれ自身がすでに
危険思想ということになっているが、時の文部大臣奥田義人が認めた京大の模範的伝統を....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
硝子片を寄せたものは破れない硝子板にはならないのである。 老子は虚無を説くから
危険思想だとこわがる人があるそうである。しかし自分が電車で巡り合った老子の虚無は....
「神サマを生んだ人々」より 著者:坂口安吾
ア、聴診器や体温計はいらないから、メスをだしなさい。お前の悪い血をとってあげる」
危険思想を蔵している様子であるから、大巻博士も面くらい、折よく診察を乞いにきた呉....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
しねえぞ。メシなんぞ食ったって、ムダだ」 「でも腹がへって動けねえ」 「キサマ、
危険思想にかぶれたな」 ジェット機というすばらしいオモチャが空をとび、原子バク....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
人の行列となり、一万人の行列だと二万人になるのです」 「フウム、日本政府は随分、
危険思想に金を費しているのですね? 」 「監獄費と警察費に、一億一千万円いるそう....