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即刻
「即刻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
即刻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
飲み仲間の誰彼と口論し、遂に掴《つか》み合いの喧嘩となりたる末、頸部に重傷を負い
即刻絶命したり。ことに不思議なるは同人の頸部なる創《きず》にして、こはその際|兇....
「星座」より 著者:有島武郎
うに思った。彼の口は自然に唾を吐いて捨てたいような衝動を感じた。
といって彼は
即刻《そっこく》東京に出かけてゆく手段を持ってはいないのだ。神経衰弱の養生のため....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
に次ぎて白糸はむぞうさにその重罪をも白状したりき。裁判長は直ちに訊問を中止して、
即刻この日の公判を終われり。 検事代理村越欣弥は私情の眼《まなこ》を掩《おお》....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
武者ぶるいをして、突然果敢なる命令を下した。 「爆撃戦隊はアリシア区に進撃して、
即刻扉を破壊せよ。索敵戦隊は予備隊として待機を命ずる」 二人の戦隊長はスクリー....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
方へ走らせた。 「川田」という仮名をそのまま、病院の受付に登録して、総監の身体は
即刻、手術台の上に載せられた。宿直の医師はキビキビした調子で看護婦を督励し、総監....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
きおこすと共に、当局に対する囂々たる非難が捲き起った。「科学者を保護せよ、犯人を
即刻逮捕せよ」と天下の与論は嵐の如くにはげしかった。 惨劇のあった翌日、秘密裡....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
いい人でしたからね――」 いずれにしても二人が死んだ後、お由殺しの事件の捜索は
即刻打切られてしまったので、これ等はただ苦労性の人々の臆説にすぎないのである。....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
も抛棄せられました。独逸に居た私は、嫂からの急電により、この変事を知りましたが、
即刻帰朝の決心をし、その旨を嫂に向けて返電いたしました。しかし、如何に早く帰国し....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
よいよ敵機が襲来して参りますと、非常管制警報が発せられまするからして、その時は、
即刻、灯火を御始末下さいまし。呀ッ、いよいよ空襲警報が発せられる模様であります」....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
か。死因が心臓麻痺なら、旗田鶴彌殺しという犯罪は成立しないことになる。すると妹は
即刻殺人容疑者という醜名から解放されていいわけだ。ねえ、そうじゃないかね」 土....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
団をわれわれの足の下に迎え、あれよあれよと騒いで間に合うものか。 「市民たちは、
即刻地上に避難せよ。地上に出た方が、まだ被害程度が軽いであろう」 そういって、....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
ぐな道を歩かせるのです。しかし、もしもこのことが不成功のあかつきには、われわれは
即刻この『魔の空間』から引揚げないと危険なのです」 「それはどういうわけか」 「....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
を着せられた川上も、そこではじめて救われるのです。艦長、どうか練習艦隊を飛行島へ
即刻ひきかえすことに賛成して下さいませんか」 と、長谷部大尉はまごころを面にあ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
挙人老爺は大に窮したが、なお頑固に前説を固持して贓品の追徴をしなければ、彼は
即刻民政の職務を辞任すると言った。けれど少尉殿はびくともせず、「どうぞ御随意にな....
「雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
に深く滲透した芸術を創り出すということは出来ません。誰かが片暈の手法を創めれば、
即刻にこれを模倣して新しい絵を気取ろうとするは甚だ狭量なことであります。またこん....