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「即効紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

即効紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
った。 「僕がそう云って来る。」 彼が茶の間から出て行くと、米噛《こめか》みに即効紙《そっこうし》を貼ったお絹は、両袖に胸を抱《だ》いたまま、忍び足にこちらへ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ゆくってしかたがなかった。かれは病身でそして思いやりの深い母親に同情した。顳※に即効紙をはって、夜更けまで賃仕事にいそしむ母親の繰り言を聞くと、いかなる犠牲も堪....
新世帯」より 著者:徳田秋声
ある日の午後お国に切り出した。 お国はその時、少し風邪の心地で、蟀谷のところに即効紙など貼って、取り散した風をしていた。 「それでなけア、東京でどこか奉公にで....
トコヨゴヨミ」より 著者:田山花袋
、薬が沢山に入っていた。風邪の薬、胃腸の薬、子供の気つけにする薬、ヨードホルム、即効紙などがごたごたと一杯になって入っていた。勇吉はそれを自分の村から五里ほどあ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
こかみだらな顔つきになったが、それも見えなくなった。骸骨《がいこつ》の顔に大きな即効紙を張ったおばあさんも死んだ、善兵衛さんはどうしたのか、勝梅さんは天理教をや....
初看板」より 著者:正岡容
渡れない。すっかり途方に暮れてしまっていると天の助けかすぐ脇の一膳めし屋へ、額へ即効紙を貼った汚い婆さんがジャカジャカ三味線を弾いて、塩辛声で瞽女唄《ごぜうた》....
瓜の涙」より 著者:泉鏡花
痛膏を、こめかみへ。その時、ぽかんと起きた、茶店の女のどろんとした顔にも、斉しく即効紙がはってある。 「食るが可い。よく冷えてら。堪らねえや。だが、あれだよ、皆....