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即吟
「即吟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
即吟の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
葛城王の場合には、あなたを粗略にはおもいませぬというに帰着するが、此歌はその女の
即吟か、或は民謡として伝わっているのを吟誦したものか、いずれとも受取れるが、遊行....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
号なのだよ。」鶴見はそういって、なつかしそうに、その日その所で伝票を引きちぎって
即吟を書きつけている乗杉の姿を想像にえがいている。 この乗杉はもともと静岡市き....
「取舵」より 著者:泉鏡花
上に船賃を取らんのだ。乗合もそれは目出度と言うので、いくらか包んで与る者もあり、
即吟で無理に一句浮べる者もありさ。まあ思い思いに祝ッてやったと思いたまえ。」 ....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ょうで」 「お前の家まで煮に帰ったのじゃア面白く無い。ここで直ぐ料理に掛けるのが
即吟で、点になるのだ。波の花が有るなら石鰈と舌平目は、塩焼にして、海※と鰕を洗い....
「カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
私だから、無論モノにはなっていないのが当り前だが、ただ当時の記念としてここにその
即吟を書き残してみた。 衣に摺りし昔の里かかきつばた ハンケチに摺って見せけり....
「雑記」より 著者:種田山頭火
ら頂戴した。 元日、とうぜんとしていたら、鴉が来て啼いた。皮肉な年始客である。
即吟一句を与えて追っ払った。 お正月のからすかあかあ 樹明君和して曰く、 ....
「西航日録」より 著者:井上円了
氏とともにベルリン市外に至り、緑葉森々の間に小艇を浮かべ、半日の清遊を試む。途上
即吟一首あり。 雨過春風入野塘、烟濃水暖百花香、寒喧来往何其急、昨日冬衣今夏装。....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ゃ。その通り」
「名歌でなければ先の意をうごかすことはできません。名歌などがそう
即吟でできるものではございません。あなた様が一つ、連歌を遊ばして」
「逃げたの。....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ている。或る男が賀茂に参詣するとて、紙のはばきを巻いて家の前を通る。是に向かって
即吟に、 千はやふるかみをも足に巻くものか と言いかけると男も抜からず、 是をぞ....