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即席
「即席〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
即席の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
、その気分の影響は、広間全体をどっしりと重いものに見せて来た。根のいいロシア人の
即席似顔画描きが、隣のキャフェ・ル・ドームを流した後らしく、入って来て、客の気分....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
処へ行ってみたい気持の方が強かった。結局彼はその方へ歩いた。 道の両側には、「
即席御料理」「きそば」と書いた暖簾の家が並んでいた。入口に女が立って、通る人を呼....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
エルミタアジュはちょっと外部から見たことがあるだけです。』 私はじぶんが単なる
即席の思いつきでこの個人的な会話を切り出したのではないという立場を守護するために....
「女人禁制」より 著者:豊島与志雄
眺め、海を眺め、煙草をふかし、雑談にふけり、鳥か魚かを珍らしがり、手で弄び、或は
即席に料理して酒の肴にするのもよい。 然るに、元気だった彼女が、いつしか黙りこ....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
に対する吾々の感覚である。 私は面白い話を聞いた覚えがある。――寄席の舞台で、
即席記憶の実演をやってみせる者が、以前はよくあった。一は煙草、二はビール、三は時....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
そういう審美的感興の或《あ》る場合に、彼はふとオーレリーの奥の室で、革命歌を一つ
即席にこしらえたことがあった。するとその歌はただちに繰り返されて、翌日はもう労働....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
った。
代理の者は腹立てて、
その金持って戻ってきた。
それはトロミエスの
即席演説を静めはしなかった。彼は杯をのみ干して、また酒をつぎ、再びはじめた。
「....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
率直な演説を喝采《かっさい》したし、また他のある意味で、ヴィルマン氏の注目すべき
即席演説を喝采した。) それはいったい何の問題についてであったか。死刑の廃止に....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
に金龍姐さんが現れたのである。 あのとき私が筆をふるって自ら出演の紙札を書いた
即席の芸名が、漫才、ゴロー三船、つまりただ私の本名を二つに分けたにすぎないのであ....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ことを、めまぐるしく、やった。しかし、どれとして、ふとるようなことはしていない。
即席の効能としては、痩せる性質のことが主であった。 ★ 私....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
そんな事もございますまいよ。と、いいますのはその七不思議は、このお杉がたった今、
即席に拵えたのでございますもの。はいさようなら、お粗相様」 いい捨て廊下へすべ....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
御前、愚庵の板前をまア御覧下さい」 この宗匠、なんでも心得ている。持参の瓢酒で
即席料理、魚が新鮮だから、非常に美味い。殊に車鰕の刺身と来たら無類。 「魚は好し....
「夜光虫」より 著者:織田作之助
飯を――食わせてやる――ついて来るか……」 という意味の手真似を、やり出した。
即席の手真似だが、娘には通じたのか。だまってうなずいた。 飯を食わせてくれるな....
「曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
ましては、久知満免登里《くちまめどり》、七笑顔当世姿、御存商売物、客人女郎不案配
即席料理、悪七変目景清、江戸春一夜千両、吉原楊枝、夜半の茶漬。なおまた昨年中の御....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
れる。男女相集ってかけ歌を催し、勝負を決する。その歌には一定の型があるが、文句は
即席に作るのが多く、それをニガタ節という節調で歌う。文句に行きつまったもの、声の....