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即発
「即発〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
即発の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「桜桃」より 著者:太宰治
し》り合った事さえないすこぶるおとなしい一組ではあるが、しかし、それだけまた一触
即発の危険におののいているところもあった。両方が無言で、相手の悪さの証拠固めをし....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
君も知っておることだろう。たがいに、川の南北に陣どって堡塁をきずき、いまなお一触
即発の形勢にある。では、その境界争いはなんのために起ったか。貪ろうとしたのか? ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
の率いる叛軍が虎視|眈々《たんたん》と機を窺《うかが》っていた。方《まさ》に一触
即発のこの時、天は絶妙な劇作家的手腕を揮《ふる》って人々を驚かせた。かの歴史的な....
「芭蕉について」より 著者:宮本百合子
芸術家として、芭蕉が「此一筋につながる」とばかり執拗に、果敢に破綻をもおそれず、
即発燃焼を志して一箇の芸術境をきずいて行った姿というものは、平俗に逃避したりおさ....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
隊を見ると秋霜凜冽《しゅうそうりんれつ》、矢も楯もたまらぬ、戦わざるにすでに一触
即発の肉弾になりきっている。 だから出征の勇士は全く本望を以て死ぬ事が出来る―....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
んに使用して来たのだろう。そのため尻尾があのように立派に発達したのであろう。利用
即発達の大真理が、ここで用立った訳である。 ある日、私とダンチョンとは森林の中....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、「失敗する一時間もまえに、私は坊主になっちまう」と書き加えている。 真に一触
即発の形勢だった。次にきた情報はフランスとの間に攻守同盟が成立したというのである....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
あった。 だからややもすれば、今夕のように、根底にあるその対立感情がすぐ“一触
即発”の危機を孕み出すのであったが、さいわい、その晩は何事もなくすんだ。そして翌....