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「即興詩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

即興詩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
のは、おそらくこのように彼がギターだけにせまく限ったためであったろう。しかし彼の即興詩を作る燃え立つような神速さにいたっては、同じようには説明することができない....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
のこの飽満からの余剰にいかに多くの価値を置くことぞ。ホイットマンも嘗てその可憐な即興詩の中に「自分は嘗て愛した。その愛は酬いられなかった。私の愛は無益に終ったろ....
クララの出家」より 著者:有島武郎
なして、自分を囲むいくつかの酒にほてった若い笑顔を苦々しげに見廻わした。クララは即興詩でも聞くように興味を催おして、窓から上体を乗出しながらそれに眺め入った。フ....
食魔」より 著者:岡本かの子
は便利だった。しかし生きてるうちは好みに殉じ死に向ってはこれを遊戯視して、一切を即興詩のように過したかに見えた檜垣の主人が譫言の無意識でただ一筋、世俗的な糸をこ....
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
。一方にはまた、鴎外漁史のような人があって、レッシングの「俘」、アンデルセンの「即興詩人」、その他の名訳をつぎつぎに紹介せられたことも、当時の文学の標準を高める....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
イタリアであった。……トルレ・デル・アヌンチアタで汽車をおりた。アンデルセンの『即興詩人』を読んだ時に頭に刻まれていたいろいろの場面が、この駅の名の響きに応じて....
青衣童女像」より 著者:寺田寅彦
湾を見おろした時には、やはりこの絵が眼前の実景の上に投射され、また同時に鴎外の「即興詩人」の場面がまざまざと映写されたのであった。 静物が一枚あった。テーブル....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。M博士は私の離れじとばかり握った袂を振り切って去っておしまいなすった。私はかの即興詩人時代の情趣|濃かなM博士がなつかしい。かのハルトマンの哲学を抱いて帰朝な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お歌いなさい」 お許しが出たものだから、澄み渡った夜の外房の空に向って、得意の即興詩がはじまる。 さて皆さん 皆さんは この大地は 四角なものだとか 或いは....
貞操問答」より 著者:菊池寛
間違えた 曇を雲と間違えた テリヤを輝や(女中の名)とまちがえた という自作の即興詩を、奇妙な節をつけて、歌って歩いて、夫人から叱られて、一時からの復習の時は....
回想録」より 著者:高村光太郎
的な要求が出て来て、何か書かなければ居られなくなったのである。丁度森鴎外さんの「即興詩人」などが出た時分で、私はその頃は一かどの文学青年であった。そういうことは....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
ある短歌の、昔からの風習が呪しくさえ思われるのである。 短歌は、成立の最初から、即興詩であった。其が今におき、多くの作家の心を、わるい意味で支配して居る。つまり....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
しょう。従ってあなたにもお眼に掛れぬと思います。いつぞやあなたにお貸した鴎外の「即興詩人」の書物は、僕のかたみとして受け取って下さい。永い間住所も知らせず、手紙....
翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
築物なのである。一たい誰にあの『魚玄機』が書けるというのであろうか。一たい誰に『即興詩人』が書けるというのだろうか。いや、論者の考えているのは鴎外の晩年ちかい枯....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
う。かつて私は「モナリーザ」の複写を見たが、あれは恐らく、鴎外訳のアンデルセン『即興詩人』の場合よりも、原物に近いさ(Echtheit)が高い。して見ると翻訳の....