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「即興詩人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

即興詩人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
。一方にはまた、鴎外漁史のような人があって、レッシングの「俘」、アンデルセンの「即興詩人」、その他の名訳をつぎつぎに紹介せられたことも、当時の文学の標準を高める....
旅日記から」より 著者:寺田寅彦
イタリアであった。……トルレ・デル・アヌンチアタで汽車をおりた。アンデルセンの『即興詩人』を読んだ時に頭に刻まれていたいろいろの場面が、この駅の名の響きに応じて....
青衣童女像」より 著者:寺田寅彦
湾を見おろした時には、やはりこの絵が眼前の実景の上に投射され、また同時に鴎外の「即興詩人」の場面がまざまざと映写されたのであった。 静物が一枚あった。テーブル....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。M博士は私の離れじとばかり握った袂を振り切って去っておしまいなすった。私はかの即興詩人時代の情趣|濃かなM博士がなつかしい。かのハルトマンの哲学を抱いて帰朝な....
今日の文学の鳥瞰図」より 著者:宮本百合子
では最高に身に具えた人であった。軍隊の衛生、クラウゼヴィッツの戦争論を訳した筆は即興詩人を訳し、「舞姫」「埋木」「雁」等を書いた。鴎外が晩年伝記を主として執筆し....
鴎外・漱石・藤村など」より 著者:宮本百合子
の子らしい情趣と観察、率直さを含んでいる。 この趣の深い回想から、母親思いで「即興詩人」の活字を特に大きくさせたという鴎外の生涯は、その美しい噂の一重彼方では....
新しい文学の誕生」より 著者:宮本百合子
説本。紅葉全集の端本《はほん》。馬琴の「白縫物語」、森鴎外の「埋木」と「舞姫」「即興詩人」などの合本になった、水泡集《みなわしゅう》と云ったと思うエビ茶色のロー....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ても書いても書きつくされないような小説を心で書き流していた。「一元論」を読み、「即興詩人」を読み、馴れない積雪に両眼を病んで、獣医も外科医も、内科も歯科もかねる....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
あれだけです。ところがこれからは岩波文庫で増刷するのは、『古事記』や何かの他は『即興詩人』と『ファウスト』、位なものだそうです。ほかの文庫類もその標準で無くなっ....
読書遍歴」より 著者:三木清
感銘を受けたものを挙げるとすれば、藤村の『破戒』、『春』、『家』といったもの、『即興詩人』とか『涓滴』などの鴎外のものを挙げねばならぬであろう。その後藤村のもの....
回想録」より 著者:高村光太郎
的な要求が出て来て、何か書かなければ居られなくなったのである。丁度森鴎外さんの「即興詩人」などが出た時分で、私はその頃は一かどの文学青年であった。そういうことは....
旅への誘い」より 著者:織田作之助
しょう。従ってあなたにもお眼に掛れぬと思います。いつぞやあなたにお貸した鴎外の「即興詩人」の書物は、僕のかたみとして受け取って下さい。永い間住所も知らせず、手紙....
翻訳の生理・心理」より 著者:神西清
築物なのである。一たい誰にあの『魚玄機』が書けるというのであろうか。一たい誰に『即興詩人』が書けるというのだろうか。いや、論者の考えているのは鴎外の晩年ちかい枯....
クリティシズムと認識論との関係」より 著者:戸坂潤
う。かつて私は「モナリーザ」の複写を見たが、あれは恐らく、鴎外訳のアンデルセン『即興詩人』の場合よりも、原物に近いさ(Echtheit)が高い。して見ると翻訳の....
涙香に還れ」より 著者:野村胡堂
は難しかろう。 世に原作以上と言わるる名翻訳は幾つか伝えられて居る。森鴎外の「即興詩人」、二葉亭四迷の「ルージン」などはそのよき例であるが、涙香の「巌窟王」も....