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即製
「即製〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
即製の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
璃窓の外側の危な気なデッキに立って、なんのことはない、幾本かの針金の端を持って、
即製の電気屋になった。 だいぶん風が出て来て、さしものふかいガスも少しずつ吹き....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
を身につけている。 それをつなぎ合わせましたから、ここに長い一本の綱ができた。
即製の、いのち綱。 「さぐりを入れるんだ。先に、何か引っかけるものをつけなくっち....
「旅愁」より 著者:横光利一
と、皆それぞれに葡萄酒を飲んだ。沖氏は傍の給仕の女に、前に習った汝を愛するという
即製のフランス語で、
「つれしゃるまん、つれしゃるまん。」
と云いつつコップを....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
七郎殿の舌一枚でございました」 と言われて道庵がくすぐったい顔をして、自分の頭の
即製のハゲかくしを撫でてみました。 「それで今日は、その尾州家の木曾領お見廻りの....
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
圭介のする事を見ていた。 「これでベッドは出来たと……」圭介はそれを試めすように
即製のベッドに腰をかけて見ながら、衣嚢《かくし》に手を突込んで何か探しているよう....
「雉子日記」より 著者:堀辰雄
空気銃を手にしていることなんぞちょっと思い出せない位に、びっくりしたりしている、
即製の猟人たちの間抜けさ加減! 一日じゅうの獲物といったら、たった頬白《ほおじろ....
「虎狩」より 著者:中島敦
来た棒や板や蓆《むしろ》などを、その枝と枝との間に打付けて、忽《たちま》ち其処に
即製の桟敷《さじき》をこしらえ上げて了った。地面から四米ぐらいの高さだったろう。....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
楽屋へ油を売りに来ていたのだ。そこで私が、 「どうだい、アヤちゃん。あなたと私の
即製コンビで、お手伝いをしようじゃないか」 「あんた、できる?」 「やってみなき....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
るべきものだが、内容はふざけた外題とは大ちがいのクスグリの一ツない大悲劇。浅草の
即製品の軽演劇役者とちがって、曾我廼家式に年期を入れているらしく特に端役が揃って....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
下手《しもて》には鰯粕《いわしかす》の目方を衡《はか》る大秤、壁に切り目を入れた
即製の身長測定器、胸囲、身長、体重の平均を年齢別に表した大図表、何やら光るニッケ....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
出して先端をこすると、間もなくビュンという音がした。 直径四ミリメートル位の、
即製の孔に眼をあてて、自分は電球の内部をのぞいて見た。そこには、曇り硝子張りのド....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
、シトロン、麦酒の瓶などが、売品として、二、三の卓上に飾り立ててもあった。※間の
即製のビラを見上ると、 黄ストロン 一本参拾銭 赤キング 一本参拾銭 ....
「塩鮭・塩鱒の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
弁当箱の蓋や湯呑み茶碗にますの切り身を入れ、熱湯を注いでいる。 これがすなわち
即製ますのスープで、なかなか結構な思いつきだと思う。 (昭和七年)....
「論語とバイブル」より 著者:正宗白鳥
万言を費し、古今の大真理としたそうだが、「酔うて唄う亦楽しからずや。」という剣菱
即製の論語も真理は孔夫子のと同じく、これを実例を挙げて説明すれば、一日や二日の講....