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却下
「却下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
却下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
合議の末頭蓋骨の鑑定、調書の取寄せ、神戸牧師以下八名の証人の喚問等を許可し、他は
却下して閉廷した。 宮木判事は当時少壮有為の司法官だった。本事件審理後彼は長く....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
二回目の人民の請願も「書面の趣、聞き届けがたく候事」として、山林局木曾出張所から
却下されたと聞いた明治十四年七月のころからである。そこで正己は日義村の河合定義と....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、猪野はいつも憂鬱そうに、奥の八畳に閉じ籠もり、酒ばかり呑んでいた。どうもそれが
却下されそうな形勢にあるということも、銀子は倉持から聞いていた。渡弁護士は倉持に....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
うことだったが、予審の日に弁護士が保釈を請求して、いろいろ判事と懇談の末、保釈は
却下されることとなってその代りすぐ公判を開くことに話がついた。 公判は、予審の....
「ケーテ・コルヴィッツの画業」より 著者:宮本百合子
と、そこから解放を求めた闘いを題材とするこの全く新しい版画集に、賞を与える決議を
却下した。 一九〇八年に発表した版画の連作「農民戦争」で、ケーテ・コルヴィッツ....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
べからずという仮処分方を、裁判所に申請した事件があった。結果に於て同医師の申請は
却下されたが、この風変りの訴訟に対して世間の注意深い人達は一寸奇異の感を懐かざる....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
けの手紙が未決生活最後の手紙となった。大審院の判決で顕治の無期懲役に対する控訴が
却下されて未決から既決の受刑者としての生活に入った。面会は一ヵ月一回となり、顕治....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
だ。それが彼らにとって何であろう。 今はもう何の機会もない。破毀院は私の上告を
却下するだろう、万事が規定どおりになされているから。証人らは立派に証言したし、弁....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
ー運河の中へ陥没してしまったものだろう』と。けれどもこの臆説は不幸にしてたちまち
却下された。運河の水深が発表された結果、そうした巨大な物体を水底に匿し横たえてお....
「話の種」より 著者:寺田寅彦
たものであって、そんなに害毒を生ずるような悪い煙でないという事になり、この訴訟は
却下になったそうである。 面白い電灯 近頃室内に取りつけまたは卓上....
「石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
因が単純明瞭で一目刺殺である事は疑いない事実と判定された為め、女の死体は間もなく
却下になった。そして雄太郎君と郵便屋と戸川差配人との三人の証言の結果、司法主任は....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
かった時刻には、私がオークニー諸島に居たことが証明されたので、大陪審がこの告訴を
却下し、この町へ来てから二週間後には、私は監獄から釈放された。 私か罪の嫌疑を....
「書記官」より 著者:川上眉山
の条件を具えたものには、早速払い下げを許可するが、そうでないものをば一斉に書面を
却下することとし、また相当の条件を具えた書面が幾通もあるときは、第一着の願書を採....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
に米と記しければ、勘定所の俗吏輩、いかでこれを許すべきや、成規に背《そむ》くとて
却下したるに、林家においてもこれに服せず、同家の用人と勘定所の俗吏と一場の争論と....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
とおるに足るほどの不利な材料があったので、和解不成立のまま、あとは、そちらで、と
却下されてしまいました。 利江子夫人は、かんしゃくを起こして、そのしかえしに人....