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「卵巣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卵巣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:海野十三
スリと刺し貫いているのだ。或るものは、心臓の真中を刺し貫いてゆく。また或るものは卵巣の中を刺し透し、或るものはまた、精虫の頭を掠めてゆく。こう言っている間も、私....
自叙伝」より 著者:大杉栄
きっと気でも変になったんじゃあるまいかと、みんながそう思ったんだそうだ。 母は卵巣膿腫、すなわち俗にいう脹満で死んだのだ。 その少し前に、九人目の子供を流産....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
は、無数の無形の恋愛幻影が想像されもするが――それよりも彼女自身のうちに、恋愛の卵巣が無数に蔓っているのであった。 不用意にも、ちょうど彼は財布が少し心細かっ....
ソヴェト映画物語」より 著者:宮本百合子
になる。 どうして月経が起るかというと、見なさい。女の腹の中に右と左と二つの「卵巣」がある、そこで一月に一つずつの肉眼では見えない卵細胞が育つ。それが体の外へ....
海豚と河豚」より 著者:佐藤垢石
ら河豚料理のうち、皮はよほど注意しないと間違いが起こりやすい。 次に、雌河豚の卵巣もいけない。卵巣を普通マコと言っている。薄墨色で肝臓と間違いやすくもしこれを....
香魚と水質」より 著者:佐藤垢石
極に達した頃を至味といわれているが、初秋の風、峡谷の葛の葉を訪れる候に、そろそろ卵巣のふくれてきた大鮎は、また棄てがたいのである。腹に片子を持つと腸の渋味に、濃....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
りに、蜂の子飯。味は河豚の白子の味のようでもあるし、からすみにも似ている。動物の卵巣が持つ共通の淡味を舌に残して、酒が甚だおいしい。小杯を傾けて論愚、痘鳴を南支へ送った。(一四・一〇・五)....
莢豌豆の虫」より 著者:佐藤垢石
、まだ卵の残っているのを発見した。来たる秋に備えた粒の細かい背腹に粘りついている卵巣ではないのである。六月上旬だ。山女魚は、秋から冬にかけて産卵するとばかり思っ....
蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
のであるかによって差が生ずるのである。 一等品である長崎ものは、若いまだ大して卵巣が発達していないものである上に、加工が上手であるから、肌がなめらかで艶々とし....
食道楽」より 著者:村井弦斎
美味いがしかし時によると中毒する事があるというね」主人「五月の牡蠣は産卵期だから卵巣《らんそう》へ毒質を持《もっ》ていて食べると中毒する。五月でなくっても悪水の....
河豚は毒魚か」より 著者:北大路魯山人
河豚毒力表 これによっても、ふぐの肉はいかなる種類のふぐでも無毒とされている。卵巣と肝臓、腸とを食わなければ無毒だといっている。私もその通りだと思う。要するに....
食道楽」より 著者:村井弦斎
を含む。殊に鱒と鮭の生肉を長く食しおれば人の腹中に必ず真田虫を生ず。鰒《ふぐ》は卵巣に激毒あり、イナダ、鰤《ぶり》、鮑《あわび》等は肝臓に毒あり。笛吹鯛は一定の....
澪標」より 著者:外村繁
射精する精子の数は約三億に達するという。その中の一つの私の精子が子宮に入り、一方卵巣より出て来たとく子の卵子と、卵巣膨大部で結合したのである。しかしそんなことを....
食道楽」より 著者:村井弦斎
胆《うに》も酒を酔わせます。もっとも海胆は腸でありません。海栗《かぜ》という貝の卵巣《らんそう》ですけれども刺撃性が強いと見えます。何でも食物を料理する時は中へ....
俗臭」より 著者:織田作之助
変憂鬱な想いで暮さねばならなかった。手術料は五百円だったということだ。 僅に、卵巣切開手術や隆鼻手術のような高級な医術に自発的に参加するのには、余程の医学的知....