» 

「卻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

卻の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
かわらのいん》で、夜な夜な現れる融《とおる》の左大臣の亡霊を、大殿様が一喝して御《おしりぞ》けになった時も、若殿様は例の通り、唇を歪《ゆが》めて御笑いになりな....
魚玄機」より 著者:森鴎外
となった。 李は玄機が不具ではないかと疑って見た。しかしもしそうなら、初に聘をけたはずである。李は玄機に嫌われているとも思うことが出来ない。玄機は泣く時に、....
青年」より 著者:森鴎外
実は余程前から或る希求に伴う不安の念が、次第に強くなって来た。己は極力それをけようとした。しかしけても又来る。敵と対陣して小ぜりあいの絶えないようなもの....
十二支考」より 著者:南方熊楠
っぱ》したは、南方先生若い盛りに黒奴《くろんぼ》女の夜這《よば》いを叱《しか》り《かえ》したに次いで豪い(『別訳雑阿含経』巻二十、南方先生|已下《いか》は拙《....
細木香以」より 著者:森鴎外
敢てせざる所である。紫玉が花山を排したのは曲が花山にあったのである。紫玉が祝儀をけたのは曲が茶弘にあったのである。紫玉は堅くこの説を持して動かなかった。 香....
百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
の石段を上りきって、第二の故郷の東京から第一の故郷へ帰る心持、丁度、唐詩にある「望并州是故郷」の感じで見返ったことを覚えている、それから今の高円寺荻窪辺、所謂....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さしみの言葉もなくなった。彼は自ら命じ自ら行なって、自分のあらゆる幸福を相次いで《しりぞ》けてしまった。一日にしてコゼットをすべて失った後、次に再び彼女を少し....
式部小路」より 著者:泉鏡花
った。 ト同時に、この内証話からは、太く自分が遠ざけられ、憚られ、疎まれ、かつけられ、邪魔にされたごとく思ったので、何となく針の筵。眉も目も鼻も口も、歪んで....
申訳」より 著者:永井荷風
杖ヲ銀座街ニ曳ク。夜市ノ燈火白昼ノ如ク、遊歩ノ男女肩ヲ摩シ踵ヲ接ス。夜熱之ガ為ニテ炎々タリ。避ケテ一酒肆に入ル。洋風ノ酒肆ニシテ、時人ノ呼ンデカツフヱート称ス....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
てまいりました。 どうぞ御免なさって下さいまし。 (マルガレエテに敬意を表してく。) マルテ・シュウェルトラインさんにお目に掛かりたいのですが。 ....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
はいかめしい陸軍被服廠や両国駅に変っていた。けれども震災後の今日を思えば、――「って并州を望めばこれ故郷」と支那人の歌ったものも偶然ではない。 総武鉄道の工....