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厖
「厖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
しかも、その証拠だといって、件《くだん》の上申書には一篇の小説めいたはなはだしく
厖大な述作が添えてあり、その十頁ごとに警察署長が登場するばかりか、ところによって....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
は、電燈を消し眼をつぶっている彼の眼の前へ、物が盛んに運動する気配を感じさせた。
厖大《ぼうだい》なものの気配が見るうちに裏返って微塵ほどになる。確かどこかで触っ....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
ただちに俳優に対する評価を決定する力になるとはかぎらない。 ○俳優に関するどんな
厖大な予備知識も、演出者として半日彼と交渉することとくらべたらほとんど無意味に等....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
ことである。もっと高空を飛んだらよかろうに。屋根すれすれを飛び居る。 ◯復員兵が
厖大なる物資を担って町に氾らんしている。いやですねえという話。それをきいた私も、....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
中華民国には地方によってはまれに大地震もあり大洪水もあるようであるが、しかしあの
厖大なシナの主要な国土の大部分は、気象的にも地球物理的にも比較的にきわめて平穏な....
「石ころ路」より 著者:田畑修一郎
な奴だ。それは人間の顔をしている時もあるし、千人くらいを一つにした形容のできない
厖大な顔のときもある。いちばん僕を苦しめたのは、これまで僕に親しく見慣れてもい、....
「発明小僧」より 著者:海野十三
と称せられ、身体の軟部を好みて喰いつくを以て、ところによりては痒み甚だしきあまり
厖大に発熱|腫脹(?)し、数時間なおらぬものなるを以て、そこを考えて、一種の若返....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
八の怪猫退治――八犬伝での大修羅場は、瞬間にして出来上ったが、爾来滞ることもなく
厖大極まる物語りは、二十年間書きつづけられたのである。....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
エジプト文化が生んだ所謂「死の書」の宗教に伴って、王と奴隷とを表現する雄渾単一な
厖大な美の形式であり、今日でもその王は傲然として美の世界に君臨し、その鷹や猫は黒....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
見ればアイリッシュだから妙に如才ない処もあるんだわ」 スワンソン氏はタイムスの
厖大な紙量の上に遠視眼鏡を置き、霧の朝の薄暗い室内を明るくする為に卓上電燈のスイ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
を起したのではない。読者の限りない人気に引き摺られて次第に延長したので、アレほど
厖大な案を立てたのでないのはその巻数の分け方を見ても明らかである。本来|読本は各....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
己革命のためには、サガレンは結局薬が弱すぎたのである。 旅行後二年半ほどして、
厖大な報告書『サガレン島』が出来あがった。いわゆる「冷厳なること重罪裁判所の公判....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
ではありません。昔の境遇に較べれば、烈しい転変を見せてるとはいえ、まだこれだけの
厖大な地所を持って、立派な家があって、庭園があって……たとえこの湖や、地所の一部....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
彼の場合には、妙に当てはまらないのである。彼の精神組織は、高度に変化した諸要素の
厖大な織物であった。彼は縞羅紗ではなく綾絹だった。瞑想的な超越、個人的矜恃の強さ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は記念すべき思い出の作品である。 昭和十三年には東亜の形勢が全く変化し、ソ連は
厖大なその東亜兵備を以て北満を圧しており、米国は未だその鋒鋩を充分に現わしてはい....