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厚
「厚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
おおがきまち》へ滞在する事になった。元来地方有志なるものの難有《ありがた》迷惑な
厚遇に辟易《へきえき》していた私は、私を請待《せいだい》してくれたある教育家の団....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
くなった。」
「大臣様は大そうな御心配で、誰でも御姫様を探し出して来たものには、
厚い御褒美《ごほうび》を下さると云う仰せだから、それで我々二人も、御行方を尋ねて....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
のは語学的天才のためばかりではない。粟野さんはいかにも長者《ちょうじゃ》らしい寛
厚《かんこう》の風を具《そな》えている。保吉は英吉利語の教科書の中に難解の個所を....
「河童」より 著者:芥川竜之介
こへ行ったのか、見えなくなったことを思い出しました。しかも河童は皮膚の下によほど
厚い脂肪を持っているとみえ、この地下の国の温度は比較的低いのにもかかわらず、(平....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ょ》した。その途端に侍の手が刀の柄前《つかまえ》にかかったと思うと、重《かさ》ね
厚《あつ》の大刀が大袈裟《おおげさ》に左近を斬り倒した。左近は尻居に倒れながら、....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
違いない。第一なたらの夜《よ》に捕《とら》われたと云うのは、天寵《てんちょう》の
厚い証拠ではないか? 彼等は皆云い合せたように、こう確信していたのである。役人は....
「女」より 著者:芥川竜之介
と、その華奢《きゃしゃ》な嚢の底に、無数の卵を産み落した。それからまた嚢の口へ、
厚い糸の敷物を編んで、自分はその上に座を占めながら、さらにもう一天井《ひとてんじ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
廻しに楫棒《かじぼう》を店の前へ下《おろ》した。さすがに慎太郎にもなつかしい、分
厚な硝子戸《ガラスど》の立った店の前へ。
四
一時間の後《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
忍野君ですね。ちょっと待って下さいよ。」
二十《はたち》前後の支那人は新らたに
厚い帳簿をひろげ、何か口の中に読みはじめた。が、その帳簿をとざしたと思うと、前よ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
《こ》だった。曾祖父《そうそふ》は蜀山《しょくさん》や文晁《ぶんちょう》と交遊の
厚かった人である。家も河岸《かし》の丸清《まるせい》と云えば、あの界隈《かいわい....
「狂女」より 著者:秋田滋
せたまま、寒い、寂しい森のなかに捨てたのだ。おのれの固定観念に固執して、彼女は、
厚くて軽い雪の蒲団に覆われて、手も動かさず、足も動かさず、命をただ自然に委せたの....
「初雪」より 著者:秋田滋
恋しがらないで、くれぐれも養生をしてくれ。二三日前から当地はめッきり寒くなって、
厚い氷が張るようになった。雪の降るのももう間近いことだろう。お前とちがってこの季....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の人は投身を企つる者ではござらぬ」巡査の証言にかの人も車夫も手持不沙汰なれば予は
厚くその注意を謝し、今は我輩も帰るべしと巡査にも一揖して月と水とに別れたり。この....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
、幸福に暮せましたので、私はまず第一に神様に謝し、次には貴下並びに貴下の前任者に
厚く御礼を申し上げねばならぬ。自分の生涯は幸福であり、また自分の希望通りであった....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
っていた。道の一方の、小川が森に流れこむほうの側には、樫や栗の木立に野葡萄の蔓が
厚くからみついて、あたりを洞穴のように真暗にしていた。この橋をわたるのは、世にも....