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厚かましい
「厚かましい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厚かましいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
場へゆく」 折竹は、しばらくカムポスの顔をじっと見まもっていた。鉄面皮というか
厚かましいというか、しかし、こういうことを些かの悪怯れさもなく、堂々と、些細の渋....
「わが町」より 著者:織田作之助
権利やろけど、しかし呼びつけて、こっそり試験したり、観察したりするのん、ちょっと
厚かましいな。あんたが好んでそうするのんやったらともかく、何も知らんあんたを、勝....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
て、ぞろぞろ押しよせた十四人を、いぶかし気に睨みまわした――何ごとだ。何でこんな
厚かましい奴らが大勢やってきたんだろう! 「閣下がおいでになるんだ! 帰れ! 帰....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
、さアずっとお通りなはれ、奥は千畳敷や、中銭はいらんといいながら、その中でも一番
厚かましい老婆が私と私の隣との間の甚だ少しの隙間をねらって、尻をもって押しあけよ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
ルマンは会見を申し込んで来たのであった。 「まあ、そんなこと……」と、彼女はその
厚かましい要求と、気違いのような態度にいよいよ驚かされた。「この手紙は私へのでは....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
ような二人には、だから鶏の徴発は頗るむずかしかった。が、よしんば二人が要領のよい
厚かましい兵隊であったところで、隊長の酒の肴を供出するような農民は昭和二十年の八....
「おせん」より 著者:邦枝完二
「そんならなぜ、もっと早くいわないのさ」 「申上げたいのは山々でござんすが、ちと
厚かましい筋だもんでげすから、ついその、あっしの口からも、申上げにくかったような....
「屏風祭」より 著者:上村松園
ったりしたが、来年の祇園祭まで延ばすのが、何としても惜しくて仕様がない、そこで、
厚かましいとは考えながら遠慮なくそれを頂戴して、また夜おそくまで屏風の前に坐り込....
「ながうた勧進帳」より 著者:酒井嘉七
こう、申しますと、幸吉さんは、 「そうですか。ほんとに、よろしいのですか。では、
厚かましいですけれど、先にさして頂きます」 と、急いで、座を立たれました。その....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
――(旅のものだ、いつでもというわけには行かない。夜を掛けても女を稼ごう。)――
厚かましいわ。蟒に呑まれたそうに、兀頭をさきへ振って、ひょろひょろ丘の奥へ入りま....
「城」より 著者:カフカフランツ
た。
「あなたは、きのうだったと思うけど、わたしの服のことについて何かいうなんて
厚かましいことをやりましたっけね」
Kは思い出すことができなかった。
「思い出....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
ファウスト
そんならこないだお寺からお帰なさる時、
御遠慮もしないで、
厚かましい事をしたのを、
堪忍して下さるでしょうね。
マルガレエテ
今ま....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
し下さいと申上げたって、お宥し下さるわけはありません、が、またお許し下さいなどと
厚かましいお願いの出来る身ではございませんけれど――』 智恵子の声は打ち沈んで....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
ここは、良人を失った中年の婦人、未亡人でもない癖に、そんな顔をしてやって来る
厚かましい女達、上流社会の有閑紳士、奇を好む男女が、肉の取引、恋の市場に惹き付け....
「機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
して遊びにやって来るんですの。それだけだって変って居りましょう。 失礼な女だ、
厚かましい奴だと最初は玄関払いで面会を拒絶した私が、いつの間にか根負けして渋々な....