厚化粧[語句情報] » 厚化粧

「厚化粧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厚化粧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
きて、手早くぐるぐる巻きにせり。 「ああこれで清々した。二十四にもなって高島田に厚化粧でもあるまい」 かくて白糸は水を聴《き》き、月を望み、夜色の幽静を賞して....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
自分から疎隔している「屋敷風」は不意気である。うぶな恋も野暮である。不器量な女の厚化粧も野暮である。「不粋なこなさんぢや有るまいし、色里の諸わけをば知らぬ野暮で....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、よく流行《はや》った。妾になれと客はさすがに時機を見逃さなかった。毎朝、かなり厚化粧してどこかへ出掛けて行くので、さては妾になったのかと悪評だった。が本当は、....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
り屋の豹一には嬉しい晴着だったが、流石に有頂天にはなれなかった。お君はいつになく厚化粧し、その顔を子供心に美しいと見たが、何故かうなずけなかった。仕付糸をとって....
世相」より 著者:織田作之助
らい蘇苔が生えている筈だのに、世相が浮浪者を増やしたおかげで、時を得たりと老女の厚化粧は醜い。 そう思うと、もう私の筆は進まなかったが、才能の乏しさは世相を生....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
か、メイゾン・バルとか言うような踊り場が挟まっていた。ニスで赧黒く光った店構えに厚化粧でもしたような花模様が入口のまわりを飾っていた。毒々しいネオンサインをくね....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いう女が綱渡りや宙乗りのきわどい曲芸を演じていた。小柳は白い仮面をかぶったような厚化粧をして、せいぜい若々しく見せているが、ほんとうの年齢はもう三十に近いかも知....
」より 著者:織田作之助
り屋の豹一には嬉しい晴着だったが、さすがに有頂天になれなかった。お君はいつになく厚化粧し、その顔を子供心にも美しいと見たが、なぜかうなずけなかった。仕付糸をとっ....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
いたちは姉からリイドされるのだ。勿論気に入るまでは何度でも結い直させ、思いきった厚化粧だった。 こうした美と意気地とに耽る素質はどうも両親にも見当らない。しか....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
田に結って間もなく、一筋の乱れ毛も無いので有った。 お白粉から口紅、行き届いた厚化粧。それで無くても慄いつく程の美しさ。江戸にも珍らしい別嬪で有った。 それ....
おせん」より 著者:邦枝完二
下がったおせんの眼に、夜叉の如くに映ったのは、本多信濃守の妹お蓮の剥げるばかりに厚化粧をした姿だった。 おせん (おわり)....
夜光虫」より 著者:織田作之助
す」 顔のオデキをかくそうとしてベタベタと塗り立てたのか、おかしい位こってりと厚化粧した女は、安白粉の匂いをプンプンさせながら、小沢の傍に掛けると、 「――お....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
店から奥の間に帰ってきた。なるほど、淀君はご大典の時にでも着るような装束をつけ、厚化粧の上に十二重の内掛を着ている。そして今、豊臣家の大奥から出て来たばかりだと....
」より 著者:織田作之助
やぜと母親は常に変らぬ調子でいうのだが、何か叱られているように思った。いつになく厚化粧の母の顔を子供心にも美しいと見るのだが、しかし、なぜかうなずけない気持だっ....
魔性の女」より 著者:大倉燁子
晩酌に限るなあ」 安子はちらりと流し眼で彼の顔を見た。五つも年長の彼女はいつも厚化粧に派手なみなりをして、彼との釣り合いを気にしているようだった。 「そんなお....