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「厚司〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厚司の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
の室《ま》の方へ洩《も》れているばかりで、そこにも荷物が沢山入れてあった。店には厚司《あつし》を着た若いものなどが、帳場の前の方に腰かけていた。鶴さんがそこに坐....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
に勢いよくやって来た。 とも、おもてのサンパンも、赤|毛布《げっと》で作られた厚司《あつし》を着た、囚人のような船頭さんによって、漕《こ》ぎつけられた。沖売ろ....
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
に行ってしまった。 「じき二人は呼ぶけんのう……」 こう云って、父は陽に焼けた厚司《あつし》一枚で汽車に乗って行った。私は一日も休めないアンパンの行商である。....
三月の第四日曜」より 著者:宮本百合子
ある。 サイはそのまま待つ気で暫く柱によりかかったが、何だか気が落付かなくて、厚司前垂れをしている貨物係の方へ近づいて行った。 「あの、五時三十四分につく上り....
この初冬」より 著者:宮本百合子
音沙汰なしである。きのうの朝早く外へ出てすこし行ったら炭俵を一俵ずつ両手に下げた厚司前垂の若衆がとある家の勝手口へ入った、もしや、と思って待っていたがなかなか出....
アド・バルーン」より 著者:織田作之助
家は、平野町通りから二三軒南へはいった西側の、佃煮屋の隣りでした。 私は木綿の厚司に白い紐の前掛をつけさせられ、朝はお粥に香の物、昼はばんざいといって野菜の煮....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ら来る。 おお、みんなが今空を見上げている。 おお、またいわゆるアイヌ模様の厚司を着た爺がいる。いる、いる。二人も三人もいる。 何と、かの爺どもの胡麻塩の....
アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
ります。釧路の塘路では、この“きのこ”を見つけると、男なら陣羽織、女なら楡皮製の厚司の着物を着て、そのまわりを踊り、それを脱いで、「取っかえよう、取っかえよう」....