厚地[語句情報] » 厚地

「厚地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厚地の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
今朝の雪」より 著者:宮本百合子
のねえ」 峯子は、全く意外そうにのろのろと椅子から立ち上った。紀子は黒い純毛の厚地外套の前をいくらか引上げるような身ごなしで立ったまま、室の様子を机から壁へと....
浪漫趣味者として」より 著者:渡辺温
私は段々ロマンティストの様子に慣れて来た。適度の無精髭を蓄えて、ゆったりとした厚地の服に、洗濯の行き届いた縞シャツを着て、始終ネクタイをゆるく横っちょに滑らか....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
とは、すっかりむき出しになっていたが、幾月も脱いだことがなく、まっ黒になっている厚地の麻で作ったシャツが、外套のかげからのぞいていた。人の話によると、彼は外套の....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
何べんか前へのめったが、カテリーナ・リヴォーヴナは落着きはらって下りてきた。ただ厚地の肌着と、ごわごわした囚人外套が、なま傷だらけの自分の背中にへばり着かぬよう....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ゴリヤ地方へ輸出するものは多く羊毛布の種類である。その種類はナンプ(羊毛製の下等厚地布)。プーツク(羊毛製上等|繻珍ようの物)。チンマ(中等羊毛厚地布)。チンチ....
はつ恋」より 著者:神西清
ぎれに坐らせて、揺すぶってやり始めた。彼は、幅の広い金モールのついた、新調らしい厚地のラシャの制服を着て、身じろぎもせず坐ったまま、しっかり綱につかまっていた。....