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厚志
「厚志〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厚志の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鴎」より 著者:太宰治
し出世させてやろうと思って、私の様子を見に来てくれたのにちがいないと、その来客の
厚志が、よくわかっているだけに、なおさら、自身のぶざまが、やり切れない。お客が帰....
「新生」より 著者:島崎藤村
て来たものである、それにも関《かかわ》らず平然として今日に到ったと書いた。かく御
厚志に甘えることを次第に心苦しく思うように成った自分は、むしろ御咎めを受くるこそ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
。これを信心と言う。自分の身に利得を求めようとするのは、皆欲情である。報恩謝徳の
厚志があらば、神明の加護もあろう。仏といえども、道理に違うことのあるべきはずがな....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
、勘違いなさって居られるだけなんだ。僕は、とにかく、ハムレットさまに、王さまの御
厚志をお伝えするように言いつかったというわけなのです。王妃さまは、なんだか、ひと....
「源氏物語」より 著者:紫式部
縁座敷をきれいにして源氏を迎えたのである。 「見苦しい所でございますが、せめて御
厚志のお礼を申し上げませんではと存じまして、思召《おぼしめ》しでもございませんで....
「源氏物語」より 著者:紫式部
あるから、一つの問題は別としてお心に上ることが多かった。四十九日の法事の際にも御
厚志の見える誦経の寄付があった。何も知らぬ幼い人の顔を御覧になってはまた深い悲哀....
「源氏物語」より 著者:紫式部
りませんで御親切にお訪ねくださいましたのをうれしく存じますにつけましても、院の御
厚志が私を今になっても幸福にしてくださるのだとかたじけなく思うのでございます」 ....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
体不和ということにして、お断りしようと思う。方さんからは時折、南方各地の銘茶の御
厚志にあずかっているが、近頃、あの人の行動には私の心に添わないものがあるようだ。....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
りました。本日参上いたしましたのは余の儀ではございませんが、我々未熟者に御教育の
厚志をもって、まげてヤミヨセの儀を拝見させていただけますまいか。と申しますのは、....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
の声のしたほうを、さがした。儀礼と嘲笑《ちょうしょう》だけを、含んだ声だ。
「御
厚志は、かたじけない」若松屋惣七は、武士《さむらい》に対すると、いつのまにか、前....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
に努力しました時までお預けすることにお願いして、今回は無賞に願いたいが、折角の御
厚志でありますから、せめて銀賞を頂くことになりましたら、私も至極満足に思います」....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、そのまま、打っちゃって置くわけには行かない。それに若井氏の心持も分って私もその
厚志に感じてやっている仕事であるから、いずれにしろ、御返事をしなければならないが....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
いわねばならぬ。幸いに志業ようやくその緒につくことが出来たのは、大方読者諸君子の
厚志によると深く感謝している。ただ志いたずらに高く、微力にして期するところ意に従....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
十面 本図は加納一郎氏所蔵原本より複写したもので,貴重な原本を貸与された同氏の
厚志を謝す.なお文久二年大槻磐渓の重刻本もただ一箇順序のちがったものがあるが,図....