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「厚朴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厚朴の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
軽井沢」より 著者:寺田寅彦
うてゆるやかにうねり行く山腹の道路は、どこか日本ばなれのした景色である。樺や栃や厚朴や板谷などの健やかな大木のこんもり茂った下道を、歩いている人影も自動車の往来....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
。但先月の嵐が累をなしたのか、庭園の百日紅、桜、梅、沙羅双樹、桃、李、白樺、欅、厚朴、木蓮の類の落葉樹は、大抵葉を振うて裸になり、柿やトキワカエデの木の下には、....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
来|屋代某の女を娶って、三子二女を生ませた。長子|艮、字は止所が家を嗣いだ。号は厚朴軒である。艮の子|成器は陸軍砲兵大尉である。成器さんは下総国|市川町に住んで....
あひると猿」より 著者:寺田寅彦
としの夏も奮発して出かけて行った。 去年と同じ家のベランダに出て、軒にかぶさる厚朴の広葉を見上げ、屋前に広がる池の静かな水面を見おろしたときに、去年の夏の記憶....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
であった。椎の花が咲いている。石斛の花が咲いている。槐の花が咲いている。そうして厚朴の花が咲いている。鹿が断崖の頂きを駆け、鷹が松林で啼いている。鵙が木の枝で叫....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
なかった。ことにいさましい労働の後であったゆえに、なにがなくてもこの田植の日の、厚朴葉飯や黄粉握飯ほど、うまいと思ったのはなかったと、村から出た人はいつまでも話....