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厚遇
「厚遇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厚遇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
おおがきまち》へ滞在する事になった。元来地方有志なるものの難有《ありがた》迷惑な
厚遇に辟易《へきえき》していた私は、私を請待《せいだい》してくれたある教育家の団....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
東洋の事物を挙げて取捨なく排棄するの時代においては、これらの無識者流もまた時好の
厚遇するところとなるのみ、滔々たる社会豈に他の理由あらんや。 吾輩は政論考を草....
「沈没男」より 著者:海野十三
撃沈された英国船九隻の船長その他の幹部乗組員が収容されているが、彼等とて、むしろ
厚遇されているようだ。今しも彼等が、甲板を散歩しているのが見える。あ、今、何かが....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
れるから、私領へ逃げる。諸国の豪族や社寺はタクミの手が欲しいからこれをかくまって
厚遇して仕事をしてもらう。 奈良、平安初期には、逃亡したヒダのタクミの捜査や逮....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ドイツ等においても同様で、私の如き者も商人であるがために至るところにおいて意外の
厚遇に接し恐縮したことがたびたびありました。 日本の貿易商である中村祥太郎氏の....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
、七つの海を荒れまわる胆力には驚嘆のほかないのである。 しかも、艇内の四人は、
厚遇の限りを尽されていた。どこでも、自由に散歩ができるし、おりには、艦長とも戯れ....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、少し嗄れた、錆のある声で、「拙者の名は、五味左門と申す、浪人じゃ。当家が浪人を
厚遇いたすと聞き、昨夜遅く訪ねて参り、一泊いたしたものじゃ。疲労れていたがゆえに....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
。 これが陣十郎の身にこたえた。 彼としては勝をゆずったのであるから、今後は
厚遇されるであろう、そうして勝をゆずったのは、澄江が出現したからで、澄江のために....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
り。嗚呼、先生|何ぞ予を愛するの深くして切なるや。予何の果報ありて、かかる先生の
厚遇を辱うして老境を慰めたりや。要するに、予の半生将死の気力を蘇し、やや快くその....
「雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
僧は八十有余の善智識であって、最早五十年来、この寺の住職である。初対面の私を種々
厚遇してくれて、さて四方山の談話の末に老僧がいうには、「お前|達は、まだ齢若い血....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、去明治十一年六月七日、再造新富座開業之節、貴下ニ於テ在東京外国人ヲ御招待、且御
厚遇|被下候儀ヲ同国人ニテ深ク礼謝致シ候段ヲ申述ベ、且又該時種々御親切|被成下候....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
連れて行き、いろいろ歓待した。 その夜は、非常に嬉しいので、文殊に会い而もその
厚遇を受けたので、インド人であるから箸は使わないが、附けられた箸をもって拍板とな....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
案内などする者はありませぬ。あなたはまああの有難やのお婆さんに出遇うたから大変な
厚遇を受けてここに来られたが、これから一人で人の居る所に行ったところが誰だって留....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
問|旁、気分転換のためにもというのでシャム国に立ち寄られ、公使館のお客さまとして
厚遇されているわけだったんです。それに来てみると、シャムという国が誠に気楽な処で....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
の幟だのがかれへまで来るようになり、同時にそれ以来、由良一座のタテ師としてかれは
厚遇されるにいたった。 が、かれの人気のそうした風にたかまって来たのも、畢竟は....