厚顔無恥[語句情報] » 厚顔無恥

「厚顔無恥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

厚顔無恥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
まえの風を装って教えているのだ、それにちがいないと思えば、なおのこと、先生のその厚顔無恥が、あさましく、私は身悶《みもだ》えいたしました。その生理のお時間がすん....
「家庭の幸福」より 著者:太宰治
るどく、その役人に迫る。役人は、ますますさかんに、れいのいやらしい笑いを発して、厚顔無恥の阿呆《あほ》らしい一般概論をクソていねいに繰りかえすばかり。民衆のひと....
「女の決闘」より 著者:太宰治
れているのであろうか。或いはちゃんと覚えている癖《くせ》に、成長した社会人特有の厚顔無恥の、謂わば世馴れた心から、けろりと忘れた振りして、平気で嘘を言い、それを....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ころを、右門の情けと義侠《ぎきょう》であやうく救い出されているんですから、いかに厚顔無恥でも、もうそのあばたづらをさらすまいと思われましたが、人の持って生まれた....
「惰眠洞妄語」より 著者:辻潤
定だ。それ以外に名案は浮んでは来ない。 私にとっては現実を肯定するということは厚顔無恥に生きるということの別名に過ぎない。――厚顔無恥も度々繰返している間には....
「少女地獄」より 著者:夢野久作
る心掛をお教え致しました。皆様はこの心をもって、男性が作る残酷な、血も涙もない、厚顔無恥な悪徳の世界と戦わなければならぬ使命を、まだ歴史のない大昔以来、心の底か....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
附、運動費、記念碑建立、社会事業、満蒙問題なぞ、あらゆる鹿爪らしい問題を提げて、厚顔無恥に翁へ持ちかける。 翁はそんな連中に対して面会謝絶をしないのみか、どん....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
すめる。ひょっとしたら、この鉄面皮、ほんものかも知れない。もともと芸術家ってのは厚顔無恥の気障ったらしいもので、漱石がいいとしをして口髭をひねりながら、我輩は猫....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ら……ねえ、その辺の正直なところを聞かして頂戴よ――」 兵馬は呆れ果てて、この厚顔無恥なる女の底の知れない図々しい面《かお》を、ウンと睨《にら》みつけました。....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
いものである。まだ、そこにはおそらく、道徳的堕落というようなものはないであろう。厚顔無恥はあっても、やはり本当の意味での放縦な、内面的なものではなくて、ただ外面....
「返事」より 著者:太宰治
養人に対し、冷汗をかきました。恥ずかしくてならないのです。 どうして、こんなに厚顔無恥なのでしょう。カルチベートされた人間は、てれる事を知っています。レニンは....
「秋の気魄」より 著者:豊島与志雄
、衣服を脱いで真裸でつっ立つ折の、妙に佗しい頼り無い淋しさを、鈍感のためにか或は厚顔無恥のためにか、身に感じないていの者であるに相違ない。 かかる落葉の――剥....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
いのです。特に自らオナラサマと称してオナラを売り物にするなぞとは許しがたい低脳、厚顔無恥、ケダモノそのものです。いえ、ケダモノにも劣るものです。なぜならケダモノ....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
の大家や流行作家がこんな紋切型の田舎言葉を書いているのを見ると、彼等の羞恥心なき厚顔無恥に一種義憤すら感じてしまうのだが、大阪弁が紋切型に書かれているのを見ても....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
た被告人自身が、公判廷で何の遠慮もなく――その時の検事の論告の言葉を藉《か》れば厚顔無恥比するにものなき態度を以て――斯様な事実を述べ立てたのですから、弁護人た....