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原人
「原人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
sire の火が激しく燃えているはずである。葉子は禁断の木の実を始めてくいかいだ
原人のような渇欲をわれにもなくあおりたてて、事務長の心の裏をひっくり返して縫い目....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、天来の瞰視をうけているような意識に駆られて、審判とか刑罰とか云うような、妙に
原人ぽい恐怖がもたらされてくるのですよ。だいたいそう云った宗教的感情などというし....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
金鉱が隠されてあろうとダイヤモンドが転がっていようと、あるいは珍奇獣虫がいようと
原人がいようとも、この永劫霽れようとも思われない毒の羽虫の雲を除くには、恐らくガ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
えば、土方人足は其一であろう。彼等は頂天立地何の恐るゝ処もない赤裸の英雄である、
原人である。彼等は元来裸である。何ものも有たない。有たないから失うことが出来ない....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
ンジュアリヤ(哲学の基礎)、ロジカ(倫理学)。 英文。ルクリュ著、プリミチフ(
原人の話)。ドラマチスト(文学論)。スカンジネビアン(北欧文学)。フレンチ・ノベ....
「鑢屑」より 著者:寺田寅彦
も駱駝を二百匹とか連れて何年がかりとかで出かけるそうである。 誰か、どこかで、
原人の尻尾の化石でも掘り出して見せる日本人はないものだろうか。そんなものの二つか....
「現代の詐術」より 著者:坂口安吾
の座、パンパンはパンパン座、オカミサンは隣組座、みんなこれをやる。 キリストが
原人的であるのに比べると、孔子はよほど社会人的であるけれども、徒党精神の味方では....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
もらいて、大いに学術の研究も出来たるならんに、漢籍は『論語』『大学』位その他は『
原人論《げんじんろん》』とか、『聖書』とかの宗教の書を許可せられしのみなりければ....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
で行って人猿どもと格闘して彼らの群から脱しようか? しかし体量五十貫もある森林の
原人と闘かって打ち勝つ希望があるだろうか? そんな希望は絶対にない! それでは湖....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ことを防いでいるかというと、結局は意志ですよ。これ即ち、本能的な、潜在意識的な、
原人的な必然の流れに反逆するところの力です。キチガイになることを防ぐには、意志の....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
せられた生涯であって、結局老年に至るとジオゲネスよりもハッタリなく淡泊ライラクな
原人的人物が完成するように思う。しかし、人さまざまと同じく宮様もさまざまに極って....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
に、四カ月ばかりで顔も身体も乾漆仏のようになり、一廉《ひとかど》のチャンタン(高
原人)らしい見かけになった。 村端の峯々は吹雪や雪雲にとじられ、いつ見ても暗澹....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
理由は容易に解釈せられるが、それを何故にまたハセツカベと呼んだであろうか。 河
原人なる細工の者が、農家に雇われて稲作を害する鳥を駆逐するの職に従事したところか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ると、ここでシナ人と言ったのが秘密になる訳であるから、二重の秘密を保って公然西北
原人として止まることになったのでございます。それで毎日毎夜勉強を重ねたものですか....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
争のらんぼうは疾うから知っていますが、
戦争のさんぼうは、こん度前以て、
山奥の
原人で編成して置きました。
あいつ等を集めたものには、利運が向きますよ。
....