原型[語句情報] »
原型
「原型〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原型の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
われることは禅院の仏壇は、床の間――絵や花を置いて客を教化する日本間の上座――の
原型であったということである。 わが国の偉い茶人は皆禅を修めた人であった。そし....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、足跡のような形で、交互に帷幕の方へ向い、先になるに従い薄らいでゆく。
「どうも
原型を回復することは困難らしいね。テレーズの足だってこんなに大きなものじゃない」....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
わない。ただ私の心に照らし出される、貧しい想像の形象を語るならば、私は恋は人間の
原型を完成せんとする願いではあるまいかと思う。すなわち、造物主の胸の奥に人間の原....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
学力に魅せられて、おそろしくなってくるのだ。 私が今、見ている機械は、しきりに
原型をうち出している。
原型は、普通は、かたい鋼鉄でつくるが、この地下工場では、私....
「地球要塞」より 著者:海野十三
あたらぬほどだ。私は有名なるミラノの美術館を一週間見て廻って、ようやくオルガ姫の
原型《げんけい》を拾い出したのであった。それを私の理想とする婦人像であったのだ。....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
ういうことは全く信じられなくなったのだ。 丁度|死面をとるときのように、一つの
原型がありさえすれば、それと全く同じ顔はいくつでも簡単にできるようになっているの....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
出というところからごくごく両家が心安くし合い、また一つには若崎が多くは常に中村の
原型によってこれを鋳ることをする芸術上の兄弟分のような関係から、自然と離れ難き仲....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
もかく日本の様式建築が、独逸の効果的写真帖の影や深味|迄を東洋人の感覚で了解し、
原型伯林の建築より効果を出している。それが、日本の樹木の優雅なたたずまいや、葉の....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
子どもを抱いている母猿を見るごとに感動せぬことはない。これは実に「聖母マリア」の
原型だ。聖母の中の聖母、ファン・エックの聖母といえども、この母猿の本能的感情より....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
していないのもあって、その二様のものが雑然と入り乱れている始末なので、最早血痕の
原型を回復する事は不可能に違いないのだった。けれども、打ち倒れている四流の玉幡を....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
うが、天草島原の乱を調べにそのゆかりの土地を見て歩いた。そのとき、原城の跡がほぼ
原型のまま畑になっているのに一驚したのであった。 もともとこの城は天草四郎が立....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
だ疑問だと思うのである。 四 次に源之助のもっている先輩について、まあ模倣
原型論といったようなことを考えてみたい。 源之助の先輩は、女形の先輩も、立役の先....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
移って行く手際は、実に巧妙を極めている。 このような書き方こそ、本格探偵小説の
原型をなすものであって、この型が如何にしばしばドイルその他の探偵小説家によって採....
「オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
雑駁なものになっているけれども、それは比較的近い時代以来の事で、いわゆる雛人形の
原型というべきものは、きわめて簡単な立像の紙雛のみであった。いわゆる内裏雛がはや....
「書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
趣味の上からしても殆んど永久の蔵書に値しないかもしれぬが、なほ優に二三十年間は、
原型をとゞむるでありましょう。 かりに、私が、愛書家であり、蔵書家であっても、....