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原始的
「原始的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原始的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「性急な思想」より 著者:石川啄木
であり、自然に背《そむ》くものと感じ、本来男女の関係は全く自由なものであるという
原始的事実に論拠して、従来の道徳に何処《どこ》までも服従すべき理由とては無いのだ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
界を造り上げたというのである。世界が虚無から創造されるというような観念は一般には
原始的な概念中にはなかったものらしく、これにはもっと高級な抽象能力が必要であった....
「演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
来る人々に対し、私がいつも汗背の念を禁じ得ないのは我々の仕事があまりにも無秩序で
原始的なことであった。 そしてこんなことは一人や二人の力ではどうにもなることで....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
側をこんな風にエナメルで着色して、海流の方向速度等を知るために、海の中へ投げ込む
原始的な漂流手段だよ」 そう云って東屋氏は、今度は下男へ、 「この邸には、勿論....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
対して上製の茶を贈与したものである。しかし、この時期における茶の飲み方はきわめて
原始的なものであった。茶の葉を蒸して臼に入れてつき、団子として、米、薑、塩、橘皮....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
す子を思い出し、一瞬ひらめくような自分達の母子情の本質に就いて考えて見た。「私の
原始的な親子本能以上に、私のむす子に対する愛情が、私の詩人的ロマン性の舞台にまで....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
初めは工合が悪かった。朝ここへ入ると、薄い黎明の日が小屋にあたって、緑の草の上に
原始的な小屋が、オレンジ色に、静まりかえって見える。障子が静けさそのもののように....
「海底都市」より 著者:海野十三
いる動物の世界があるのだ。いや、動物だけではなかろう。僕には見えないが、おそらく
原始的な微生植物《びせいしょくぶつ》も、ここをわが世とばかりに活動して繁茂《はん....
「恐竜島」より 著者:海野十三
しかしその土木工事は、最新式のブルトーザなどという土木機械を使ったものでなくて、
原始的な方法、つまり人間を大ぜいあつめて、もっこに土をいれたり石をのせたりしでか....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
ギンヌの叔父夫婦の家は町から少し離れた東の方の村に在ります。私は此所へ来て色々の
原始的生活のようなものを見聞するわ。此所では住民は一つの共同の井戸を中心に五・六....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
たのである。宗教の発展の過程を三段階に分けて考えることができる。第一段階の宗教は
原始的の幼稚なもので、道徳観念がはなはだ乏しくして、倫理上から見て無価値といって....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
投ず。五里の層雲峡中、人家あるは、加藤温泉と塩谷温泉との二軒のみ也。他にあらば、
原始的の粗末なる家なるべきも、ここにては仙家也。熊の皮に迎えられて、炉火に対し、....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
く人が水を得たように眼を離せなくなった。そして清水禅叢で失ったあの時代離れのした
原始的な慾望を再び取り戻した。わけて慧鶴青年を緊く初一念に引戻した書中の事蹟は何....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ただ皮を剥いただけで、ざくざく輪切りにしたものでありました。その当時はただ珍しい
原始的なことをするものだくらいにしか思わないで撮んだのでしたが、あとで考えてみる....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ろう。それには前に述べた信仰の統一が強い力であることが必要であるが、同時に武力が
原始的で、何人も簡単にこれを所有し得た時は内乱は簡単に行なわれたのであるが、武器....