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原生
「原生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
山毛欅か楡《にれ》でしょう。楓ならもっと紅《あか》くなるから」 馬車はそして、
原生林帯の中へ入っていった。道はそこで一面の落ち葉にうずめられ、もはや一分の地肌....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
きる。そこにはまた、幾世紀の長さにわたるかと思われるような沈黙と寂寥との支配する
原生林の大きな沢を行く先に見つけることもできる。蘭はこの谷に添い、山に倚っている....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のある街道筋から言えば、深い谷を流れる木曾川の上流に臨み、憂鬱なくらいに密集した
原生林と迫った山とにとりかこまれた対岸の傾斜をなした位置に、その役所がある。そこ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
来て、谷の下の方に遠く光る王滝川を半蔵と一緒にながめた。木と木の梢の重なり合った
原生林の感じも深く目につくところで、今はほとんど自由に入山伐木の許さるる場処もな....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ころに在る、一切の動物心理の核心を切開いてみると、黴菌、その他の微生物と共通した
原生動物の心理があらわれて来る。それは無意味に生きて、無意味に動きまわっていると....
「ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
過ぎない。動物がかあいそうならいつの間にか植物もかあいそうになる筈だ。動物の中の
原生動物と植物の中の細菌《さいきん》類とは殆《ほと》んど相密接せるものである。又....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
(之は実は似而非インテリジェンスなのだが)を有つように見えるものの、最も平均的な
原生的な卑俗な、その意味においては最も日常的で常識的な、感覚に訴えるものだったの....
「辞典」より 著者:戸坂潤
なる有機物ではない。)有機体と無機物とを区別するものは生命現象のある無しである。
原生動物を無機物から人工的に造り出すことは現在すでに不可能ではないが、之は一種の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いものだ。今から三十年前、武州多摩川の上流から颯爽《さっそう》と現われた、これが
原生動物と覚しき存在は、こんな無恥低劣な姿ではなかったはず。 何の因果か、この....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
に近く、保安林の立並んだ周辺九里、中央に一つ屹立している中島には、水辺より頂まで
原生林が欝蒼と茂り、五号色の碧水が、最深度千八百米突まで、深々と湛えている、比類....
「マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
あるが、稲の生長を助けるアゾトバクテルという黴菌がある。また同じような作用をする
原生動物がある。ところが最近の日本の学者の研究によると、この二つのものを別々でな....
「英彦山に登る」より 著者:杉田久女
るところをきっと感じたに違いない。南岳をよじる時私は、たしかにそう感じた。南岳の
原生林をぬける時の深山らしい感じは、上宮道にはない。三山をきわめてはじめて彦山の真価はわかる。 (発表誌年月未詳)....
「樹氷」より 著者:三好十郎
きます。(二部合唱のうたを入れる)……それを背中に聞きながら私はやがて非常に深い
原生林とカラ松と入れ交った森の中にわけ入って行きました。農民道場の歌声は次第に遠....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
岸の真岡から、樺太庁の所在地たる豊原まで、二十余里の山野を、蝦夷松、椴松、白樺の
原生林を技けて、怪獣のごとくまた疾風のごとく自動車で横断することは、少くともこの....
「三の酉」より 著者:久保田万太郎
。 ――じゃァ、それは、いずれゆッくり研究することにして、それより、いまの、吉
原生れのはなしのさきを、もッとつゞけよう。……大丈夫だ、これだけ揉めば、もう、か....