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原生林
「原生林〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原生林の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
山毛欅か楡《にれ》でしょう。楓ならもっと紅《あか》くなるから」 馬車はそして、
原生林帯の中へ入っていった。道はそこで一面の落ち葉にうずめられ、もはや一分の地肌....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
きる。そこにはまた、幾世紀の長さにわたるかと思われるような沈黙と寂寥との支配する
原生林の大きな沢を行く先に見つけることもできる。蘭はこの谷に添い、山に倚っている....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のある街道筋から言えば、深い谷を流れる木曾川の上流に臨み、憂鬱なくらいに密集した
原生林と迫った山とにとりかこまれた対岸の傾斜をなした位置に、その役所がある。そこ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
来て、谷の下の方に遠く光る王滝川を半蔵と一緒にながめた。木と木の梢の重なり合った
原生林の感じも深く目につくところで、今はほとんど自由に入山伐木の許さるる場処もな....
「故郷」より 著者:豊島与志雄
に近く、保安林の立並んだ周辺九里、中央に一つ屹立している中島には、水辺より頂まで
原生林が欝蒼と茂り、五号色の碧水が、最深度千八百米突まで、深々と湛えている、比類....
「英彦山に登る」より 著者:杉田久女
るところをきっと感じたに違いない。南岳をよじる時私は、たしかにそう感じた。南岳の
原生林をぬける時の深山らしい感じは、上宮道にはない。三山をきわめてはじめて彦山の真価はわかる。 (発表誌年月未詳)....
「樹氷」より 著者:三好十郎
きます。(二部合唱のうたを入れる)……それを背中に聞きながら私はやがて非常に深い
原生林とカラ松と入れ交った森の中にわけ入って行きました。農民道場の歌声は次第に遠....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
である。騎馬の行進を阻めるような大樹林はこの通路には昔からなかったのだろう。もし
原生林のような地帯があったら、義経のあの行動は、しょせん、不可能だといいきれる。....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
岸の真岡から、樺太庁の所在地たる豊原まで、二十余里の山野を、蝦夷松、椴松、白樺の
原生林を技けて、怪獣のごとくまた疾風のごとく自動車で横断することは、少くともこの....