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原画
「原画〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原画の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
た執念が残っている、落葉、落葉、また落葉、生々しい青葉は無色になり、輪廓ばかりの
原画になって、年々無数に容赦なく振い落される、いつか冬の野原で、風もない、微《そ....
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
り、それに使ったレンズがきわめて粗悪なものであるのみならず、焦点距離が長いのに、
原画をあまり近く置きすぎたために鮮明な映像を得られなかったのは当然である。それで....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
うまいんですがね。この絵はあまり感服できない」と一、二歩さがって見た。「どうも、
原画が技巧の極点に達した人のものだから、うまくいかないね」 原口は首を曲げた。....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
に彼らの技巧は驚ろくべきものだとありました。なぜ驚ろくべきものかと申すと、彼らは
原画を一目見るや否や、この色とこの色を、これだけの割合で、こう混ぜれば、この調子....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
った。逸作の働いた紹介の方法も効果があったには違いないが、巴里の最新画派の作品を
原画で観るということは、人々には稀有の機会だった。 オリーブ色の壁に彩色画が七....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
めてあった釘がぬけていた。 「ふーン。やっぱりそうか。盗まれたんだ。そして賊は、
原画のかわりに、この模写の画を入れていったのだ。ふざけた奴だ。僕をこんな愚劣な模....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
種類の中にはずいぶん美しいものが多い。陰影と調子が深く応用されていて、むしろその
原画のつまらないものを支那人の心と手とガラスの効果によって、それを宝玉にまで翻訳....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
かったでしょう。 まだ四時すぎだのにもうすっかり夕方になっている。この娘の顔は
原画は非常に清潔な美しさを持っているのですがよく見えませんね。どうか猶々お大切に....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は茶の間に。茶の間の正面、私の座る場所の右手の三尺の壁には、『冬を越す蕾』の扉の
原画がかかっていて、その雪解の川水を描かれている薄灰色のような色や白っぽい額縁と....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
情を申しあげます。
〔欄外に〕今、河出の本もって来ました。三雲という人の装幀。
原画見せてよこした次の日行ったら、もう本になっているの(!)
いろいろとこの....
「形態について」より 著者:豊島与志雄
ホルバインの模写で、十字架から下されたばかりの救世主が描かれている。ホルバインの
原画について「こんな絵を見たら人は信仰心がなくなるだろう。」と作者は語っているが....
「縮図帖」より 著者:上村松園
の写真版を買ってくることがあるが、それらは自ら苦労していないからその複写をみても
原画の味や微細な線は憶い出せない。 私がつとめて縮図をとるのはこの故にである。....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
誌 Japon Artistique(『日本の美術』)を編輯《へんしゅう》しよく
原画の趣を伝へたる精巧なる挿画とまた英仏独三国語の解説とによりて極力日本趣味の普....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
一八二四年―二六年――素描戯画(散歩するベートーヴェン)J・P・リーザー作。(
原画は、ヴィーン市「音楽の友の会」Gesellschaft der Musikf....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
ス・アルベルガデイの肖像』について書いた、茂吉の解説の文章である。これを読めば、
原画の写真を見なくても、私などの凡眼が見た以上に、はっきり分かるではないか、専門....