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「原稿料〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

原稿料の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
は必ず東京へ行《ゆ》かなければならぬ。こう云う生活欲に駆《か》られていた彼は勿論原稿料の前借《ぜんしゃく》をしたり、父母兄弟に世話を焼かせたりした。それでもまだ....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
、バルザックの手紙を読んで見るが好い。バルザックはハンスカ伯爵夫人に「この手紙も原稿料に換算すれば、何フランを越えている」と書いている。 行儀 昔わ....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
辞《いろ》わで納め給えと言う。」――僕はそこを読みながら、おととい届《とど》いた原稿料の一枚四十銭だったのを思い出した。僕等は二人ともこの七月に大学の英文科を卒....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
読んで見た。僕の宿っているのは芸者屋の隣りだとは通知してある上に、取り残して来た原稿料の一部を僕がたびたび取り寄せるので、何か無駄づかいをしていると感づいたらし....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
い待遇を忍んで新聞記者となるより外に道が無かった。今日の如く雑誌の寄書家となって原稿料にて生活する事は全く不可能であった。偶々二三の人が著述に成功して相当の産を....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
ので、小づかいはまったく別にして自分で持っていました。それも時々ひまをさいて書く原稿料や、印税の一部分や、知人達の補足でようよう足りてゆくような状態でした。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
かったよ。」 「よくない、よくない量見だ。」 と、法師は大きく手を振って、 「原稿料じゃ当分のうち間に合いません。稿料|不如傘二本か。一本だと寺を退く坊主にな....
明治十年前後」より 著者:淡島寒月
喰町)の書記をしていた人であった。その他、投書家でもよいものは作者と同じように、原稿料をとっていたように記憶する。(斎藤緑雨なども、この若菜貞爾にひきたてられて....
歯車」より 著者:芥川竜之介
僕はこのホテルの部屋にやっと前の短篇を書き上げ、或雑誌に送ることにした。尤も僕の原稿料は一週間の滞在費にも足りないものだった。が、僕は僕の仕事を片づけたことに満....
滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
。これは僕の滝田君に何よりも感謝したいと思うことである。 僕は又中央公論社から原稿料を前借する為に時々滝田君を煩わした。何でも始めに前借したのは十円前後の金だ....
幸福な家庭」より 著者:井上紅梅
だ……」 彼はそこまで考えると、いきなりベッドから跳起きた。彼はずっと前から、原稿料で生活をして行きたいと考えていたが、投稿するなら、まず幸福日報社が好かろう....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ンに合わない。しかもまだかけ出しのどしどし書ける時分にはほとんどただのような安い原稿料でかせがされる。 資本家が認めて相当の値で買つてくれる時分には作家は精力....
おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
る文士を救い、一面渇ける読者を医した。探偵小説は百頁から百五十頁一冊の単行本で、原稿料は十円に十五円、僕達はまだ容易にその恩典には浴し得なかったのであるが、当時....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に頼まれて寄稿した小説が頗る意に満たないツマラヌ作であるを頻りに慚愧しながらも、原稿料を請取ると大いに満足して直ぐ何処へか旅行しようと得意になる心のさもしさを賤....
魯迅さん」より 著者:内山完造
した。すると魯迅さんは、その正月に朝日新聞に「上海雑感」というのを書いて、それの原稿料がちょうど百円届いて、ぼくが現金でいま渡したばかりのところだったのです。そ....