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「原紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

原紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
青|羅紗を掛けた丸|卓子の左右に、歪んだ椅子がタッタ二つ置いてある。右手の新聞|原紙で貼り詰めた壁の上に「南船北馬……朴泳孝」と書いた大額が煤け返っている。それ....
乳房」より 著者:宮本百合子
としての維持員を一般の進歩的な家庭の婦人の間に持っていた、その方面も拡大しよう。原紙を切っても、手許に謄写版がなかった。診療所まで出かけて行って刷らなければなら....
十二支考」より 著者:南方熊楠
おりふし》年末の煤払《すすはら》いして屋根裏を改めると、棟木《むなぎ》の間より杉原紙《すぎはらがみ》の一包みを捜し出し、見るにかの年玉金なり。全く鼠が盗み隠した....
国分一太郎君の仕事」より 著者:村山俊太郎
翌年は短期現役を終えてから文集一冊と詩集一冊をつくり、それ以来精力的にコツコツと原紙を切り、ルーラーを回転し、文集“もんぺ”“もんぺの弟”を出した。積み重ねると....
不在地主」より 著者:小林多喜二
寝らずに、「岸野小作争議団」結成のために馳けずり廻った。ビラを書いたり、謄写版の原紙を書いたり、刷ったりした。――健は始めての色々な経験で興奮していた。 人数....
私本太平記」より 著者:吉川英治
この夜も敵味方の声が海鳴りのように遠くでしていた。 顕家が夜をあかして書いた杉原紙十数枚にものぼる文章は、吉野朝廷へたてまつる彼の政治意見書であった。 上奏....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
もしているし、汚れのひどい一書簡がある。これは、他の奉書文書とちがって、紙質も杉原紙のように茶がかっており、何しろ、そッと披けないことには、折目からすぐ切れてし....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
とにかく懸命にボール紙にしわを寄せる仕事に取組んだのだった。 使用人としては、原紙などの運び役に櫛原万造という大酒飲みのじいさんと、私が日給二十銭で雇った亭主....