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原色版
「原色版〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
原色版の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
「お化けの絵だよ」 いつか竹一が、自分の二階へ遊びに来た時、ご持参の、一枚の
原色版の口絵を得意そうに自分に見せて、そう説明しました。 おや? と思いました....
「すり替え怪画」より 著者:海野十三
抱えて戻ってきた。椅子の上で、そのページを繰った。セザンヌの「カルタを取る人」の
原色版印刷が出て来た。それと、壁にかかっている画面とを見較べると、いよいよ相違が....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
飛行島の欠陥? 飛行島の夜は明けはなれた。 熱帯地方の海は、毎日同じ
原色版の絵ハガキを見るような晴天がつづく。今日も朝から、空は紺碧に澄み、海面は油....
「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」より 著者:宮本百合子
出版されたその本には、古代ペルシアの美しいタイルの色刷りや小画(ミニェチュア)の
原色版がどっさり入っていた。そのミニェチュアの央に、特に色彩の見事な数枚があって....
「入梅」より 著者:久坂葉子
に出ていた。というのは、私の友人で京都に住む人が、私の製作の材料に南蛮絵ざらさの
原色版を貸しましょうかと云って寄越してくれたが、私は送ってもらう暇も惜しく、作衛....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
るだけやって見ましょう。お役に立てば倖いです」 と、いって、すぐ立って行って、
原色版の分厚な絵入りのカタログを抱えて来て、 「鼬鼠のケープと申しましても、いろ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
陵がつづいている。その遠い遠い沖合いに、一風変わった赤い帆のヨットが浮んでいる。
原色版のナポリの風景などでよく見る『ファルファラ』という、蝶々のような恰好の帆を....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
》の中には、料理の本から切り抜いた青や赤や黄いろや白の、色とりどりに彩色された、
原色版の美しいお菓子の絵がいくつもいくつも貼《は》りつけてありました。 少年は....
「翻訳のむずかしさ」より 著者:神西清
その一例が、単色版式飜訳という方法だ。 それを一口にいうと、飜訳者は模写だとか
原色版だとか何だとかいう身の程知らずな野心を起《おこ》さずに、写真屋の役割で満足....
「南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
本魚類図説』と『日本|蟹類《かにるい》図説』とを買って来た。 この本はどちらも
原色版の写真の集成で、ちゃんとした学術的なものである。芸術的な意図は全然ない本で....