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厦
「厦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
。
見よ! 眼前に聳《そび》えた広海屋本店の、巌丈堅固《がんじょうけんご》な大
厦《たいか》は、すでに一めんに火が廻って、吹き立って来た北風に煽られた火焔は、天....
「微笑」より 著者:横光利一
芝生にいま寝そべって、半身を捻じ曲げたまま灯の中をさし覗いている栖方を見比べ、大
厦の崩れんとするとき、人皆この一木に頼るばかりであろうかと、あたりの風景を疑った....
「駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
らるゝに反して美術家や文人が課税されないのは不公平であると。日本画の先生達には大
厦高楼を構えたり或は屡々豪遊したりするものもあるから、恁ういう大先生方は別として....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
れに和布《わかめ》、ヒジキ、乾魚《ひうお》などを貯え、凶歳に村民を救うた。その大
厦《たいか》の天井裏で毎夜踊り廻る者あり。大工が天井張った時山茶の木の槌を忘れ遺....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
の建築が堅牢である。宏壮である。清潔である。棟割長屋に住むものより見れば、実に大
厦高楼の住居といわねばならぬ。衣服夜具のごときも、ほぼ整頓している。冬期において....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
いが、家の造り方も尋常と異い、きわめて原始的のものらしく、ひときわ眼立つ一軒の大
厦は、部落の長の邸であろう。あたかも古城のそれのように、千木や勝男木が立ててある....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
る、夜に至りて雨なく天色朦朧たりしが、亥の二点大地俄に震ふこと甚しく須臾にして大
厦高牆を顛倒し倉廩を破壊せしめ、剰さへその頽れたる家家より火起り熾に燃えあがりて....
「細木香以」より 著者:森鴎外
の華族さんも、大臣次官の官員さんも婢がためには皆野暮なお客である。貸座敷の高楼大
厦とその中にある奴婢臧獲とは、おいらんを奉承し装飾する所以の具で、貸座敷の主人は....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がて屋の棟《むね》の上へスックと立ちました。 ここから見上げると、鰡八大尽の大
厦高楼《たいかこうろう》は眼の前に聳《そび》えているのであります。道庵先生はそれ....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の経験談はいつも我が弱き心を刺激し発奮せしめるのである。かくの如く我が好模範は大
厦高楼に枕を高くしている大事業家ではなく、心なき人の足下に蹂躙せらるる野末の花に....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
は人が出盛っていた。馬車、自動車は鈴を鳴らし、広い車道を馳って行く。三層五層の大
厦の窓は、悉く扉を開け放され忙しそうに働く店員達の小綺麗な姿が見えている。上海棉....
「曙覧の歌」より 著者:正岡子規
くみゆれど其《その》心のみやびこそいといとしたはしけれ、おのれは富貴の身にして大
厦《たいか》高堂に居て何ひとつたらざることなけれど、むねに万巻のたくはへなく心は....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
走りました。 広小路は名古屋を東西に貫く、最も繁華な街でありまして、いわゆる大
厦高楼が軒を並べ、しかもどことなくゆったりした気分に包まれているのは、名古屋その....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
りは呉かあるいは越の国であろうか、白い雲のとどまる所は台湾である。とりまくような
厦門の山々は波のごとく、ひとすじの香港のせまい海は袋のようである。安南の海上の風....
「三国志」より 著者:吉川英治
せん。……ですから周瑜都督が示された計の如く、彼に、ほしいままなる贅沢を与え、大
厦玉楼に無数の美女をあつめ、錦繍の美衣、山海の滋味と佳酒、甘やかな音楽、みだらな....