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厩舎
「厩舎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厩舎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「競馬」より 著者:織田作之助
し、騎手がその場で絶命するという騒《さわ》ぎの隙《すき》をねらって、腐《くさ》り
厩舎《きゅうしゃ》の腐り馬と嗤《わら》われていた馬が見習騎手の鞭にペタペタ尻《し....
「恐怖城」より 著者:佐左木俊郎
要なのだから……) 紀久子はそう考えながら、帽子を目深に被《かぶ》って裏庭から
厩舎《うまや》のほうへと走っていった。 3
厩舎の前には三頭の馬....
「我が馬券哲学」より 著者:菊池寛
何による。その点に於て、より偶然的である。むしろ単勝の大穴を狙うに如かず。 一、
厩舎よりの情報は、船頭の天気予報の如し。関係せる馬についての予報は精しけれども、....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
叶っていて、それ一つだけが破格だけに、彼には不思議でならなかった。 「納屋で無し
厩舎で無し、湯殿で無し離座敷でなし、どういう用のある建物だろう?」 どう考えて....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
り巡らし、濠に似せて溝を掘り、周囲を廻れば五町もあろうか、主屋、離室、客殿、亭、
厩舎、納屋から小作小屋まで一切を入れれば十棟余り、実に堂々たる構造であったが、そ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
る日の午後遅く父を診に来て、母の出したちょっとした夕食をとり、「ベンボー屋」には
厩舎がなかったので、村から馬が迎えに来るまで一服やろうと談話室へ入って行った。私....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
が見える。こんなに明るい静かな生活であったら、自分も勉強が出来る。まるで、都会の
厩舎から高原の牧場へ放された馬のようではないかと思っていると、お茶の迎いらしく幼....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
た。 翌朝館へ駆着けた時は既に納棺も済んでいた。昨夜の有様を披露した後、急いで
厩舎へ走って行き、二頭の馬を索き出すと、まだ十足とは歩かない中に二頭ながら倒れて....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
は枝折戸などがあったが、鍵などはかかってはいなかった。幾個かの別棟の建物があり、
厩舎らしい建物も、物置きらしい建物も、沢山の夫婦者の作男達のための、長屋らしい建....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
でございます」 「ええと、ところで二頭の馬、そうだあの馬はどうしているな?」 「
厩舎につないでございます」 「重そうな荷物を着けていたが」 「重そうな荷物でござ....
「鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
幸福を感じながら彼は呆然していた。納屋の方からは、大勢の作男たちの濁声が聞こえ、
厩舎の方からは、幾頭かの馬の嘶く声が聞こえた。時々、下婢や下男が彼の前を通ったが....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
卿の筆頭であるところの、田安中納言家のお屋敷であった。客殿、本殿、脇本殿、離亭、
厩舎、望楼台、そういう建物が厳しく、あるいは高くあるいは低く、木立の上に聳え木立....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
と何かに聞き惚れていた。夕月が上って野良を照らし、水のような清光が庭にさし入り、
厩舎の影を地に敷いていた。フーフーいうのは馬の呼吸で、コトンコトンと音のするのは....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
馬や鹿や兎や狐や、牛や猿などが、林や森や、丘や野原に住んでいた。 到る所に
厩舎があった。 乞食までが住居していた。 嘉門の住んでいる主屋なるものは、一....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
い、燐のにおいの小雨である。 養狐場を出たところで、私はまた牛舎の白い狭霧を、
厩舎や豚舎の小雨を見た。雫を含んだ鮮緑の広々とした牧草の平面を、また散在した収穫....