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厭世的
「厭世的〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厭世的の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
、継ぎはぎだらけのカンヴァスばかりだ?)――
けれども僕はこの詩人のように
厭世的《えんせいてき》ではありません。河童たちの時々来てくれる限りは、――ああ、....
「女生徒」より 著者:太宰治
、あれは嘘。朝は灰色。いつもいつも同じ。一ばん虚無だ。朝の寝床の中で、私はいつも
厭世的だ。いやになる。いろいろ醜い後悔ばっかり、いちどに、どっとかたまって胸をふ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
思ふ人もなし、思うて呉《く》れるお客もまた、広い世界にないものぢやわいな」という
厭世的な結論とを掲げているのである。「いき」を若い芸者に見るよりはむしろ年増《と....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
ろの千載青史に列するを得んというこの欲望が大分なくなってきました。それで何となく
厭世的《えんせいてき》の考えが起ってきた。すなわち人間が千載青史に列するを得んと....
「芥川の事ども」より 著者:菊池寛
の令弟の発病など、いろいろ不幸がつづいていた。 それが、数年来|萠していた彼の
厭世的人生観をいよいよ実際的なものにし、彼の病苦と相俟って自殺の時期を早めたもの....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
とありますが、「初夜の鐘は諸行無常、入相の鐘は寂滅為楽」などというと、いかにも
厭世的な滅入ってゆくような気がします。しかし、それはさように考える方が間違いで、....
「東京八景」より 著者:太宰治
していたのだ。不当に恵まれているという、いやな恐怖感が、幼時から、私を卑屈にし、
厭世的にしていた。金持の子供は金持の子供らしく大地獄に落ちなければならぬという信....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。この沈痛なる皮肉なる冷狂なる哲人の思想は私の利己主義に気味悪き底力と、悲痛なる
厭世的の陰影とを与えずにはおかなかった。私は生命の内部にただいたずらにおのれを主....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
外は晴れたる日なりき 今日も亦チベット語を吸いて帰れり この二行詩はいくらか
厭世的である。先生の放屁にあてられて、彼は到頭思わぬ厭世感にかりたてられていたら....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
、面白いよりもイマイマしいぐらゐ。然し、イマイマしいとか、ウンザリするとか、変に
厭世的な気持が深まるやうで、内実はその満足が病みつきとなり、いつとなく思想が変つ....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
なく)いうものが如何に多くのギャップ、ムジュンをはらんでいるか、少し考え過ぎると
厭世的になるのも無理はないと思います。つまり余りにも物質的であると云うのでしょう....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
は確かだね。ここに奇怪な存在は、それを承知で熱心に講義している先生であるが、別に
厭世的な顔色でもないし、悟りをひらいた面持でもない。撮影所というものは全然ワケの....
「地上」より 著者:島田清次郎
み、くだらない文章をつづり、またお前という女とも恋らしいものをしてみているのだ。
厭世的な享楽主義とでもいう奴があれば、言わしておくさ。厭世どころでないのだ。そん....
「三稜鏡」より 著者:佐左木俊郎
何もすることが出来なくなるのであった。そして肉体と精神との疲労の上に、更に憂鬱な
厭世的なものが激しく襲いかかって来て、外科医術に対する私の希望を折取って了おうと....
「机前に空しく過ぐ」より 著者:小川未明
にも働いているような人々が、五十以上の人にも多いのを知ると、昔の人の言った、この
厭世的な見解は誤っていたということを知るのであります。そして、自分も、これからだ....