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厭世観
「厭世観〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厭世観の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
論に勝つよりも手軽である。
我我は互に憐まなければならぬ。ショオペンハウエルの
厭世観《えんせいかん》の我我に与えた教訓もこう云うことではなかったであろうか?
....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
。断罪の遅延する事は屡※問題となり、既にシェークスピアの戯曲中のハムレット皇子が
厭世観に捕われて、自殺せんかと思いつめた時に、
厭世観を誘う一つの原因のうちに法の....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
。そこには人間の切なる情実の複雑な纏絡があるだけに、ほとんどこれのみにて人をして
厭世観を抱かしむるほどの悩みの種となるものである。しこうして私は実際に私の幸福と....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
から、或《あるい》はトルストイについて人道主義を発見し、ストリンドベルヒについて
厭世観《えんせいかん》を発見したりするのである。 同様のイデヤは、絵画について....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
ってしまった。 それらが動機となって川上夫婦の短艇《ボート》旅行は思立たれた。
厭世観と復讐《ふくしゅう》の念、そうした夫の心裏を読みつくして、死なば共にとの意....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
ろん彼一流の照れかくしで、そんな中に彼の科学者的冷静だの、ショーペンハウアー流の
厭世観だのを探ろうとしたところで無駄だ。ただ単にこれは冗談なのだ。こんな冗談を言....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
何んだか世の中が面白くなくって困った。あの年頃の青年に有勝ちの、妙な神経衰弱的|
厭世観に捕われていたのであろう。その前の年までは盛に山を歩いていたのだが、この夏....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
するのは、右に説いたごとく一面的な見方にすぎない。また日本人は楽天的であるゆえに
厭世観を根柢とする仏教を咀嚼し得るはずはなかったという主張も、奈良の六宗に対して....
「夏目先生の追憶」より 著者:和辻哲郎
らば、先生は底までも突っ込んで行くことを辞せなかった)。これらの所に先生の温情と
厭世観との結合した現われがあったようである。 右のような先生の傾向のために、諧....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
ん事を望むね。今のような有様では折角《せっかく》食物衛生を天下に勧《すすめ》ても
厭世観《えんせいかん》や悲哀観の流行するため人の元気|沮喪《そそう》して食物を消....