»
厭気
「厭気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厭気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「顔の美について」より 著者:伊丹万作
の顔が美しくありたいとはねがわないが、しかしそのあまりにもいかのごとき扁平さには
厭気がさしている。 せめて自分の子は今少し立派な顔であれと願つたが、せつかくな....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
んでから知れてくれればどうにか治まりがつくべいと思ってたに、今知れてみると向うで
厭気がさすのも無理はない」 母はこういってしばらく口を閉じ、深く考えつつ溜息を....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
「人を馬鹿にしてイるの、ね」と、僕の肩をたたいた。 僕を商売人と見たので、また
厭気がしたが、他日わが国を風靡する大文学者だなどといばったところで、かの女の分ろ....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
各々一生懸命になって骨を折ってると、イツカ互に同士討している事が解るから誰も皆|
厭気がさして手を引いてしまう。手を引くばかりでなく反感を持つようになる。沼南統率....
「壊れたバリコン」より 著者:海野十三
流石|物好きからやり出した僕と雖も、少々この「永遠の梨の礫」には倦きて来ました。
厭気のさしたのを自覚すると、実験をつづけることが急転直下的にたまらなくいやになり....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
めてその女に亭主のあることも、サーカスに出ている女だという事も分って、伯爵は急に
厭気がさしたんだそうです。それでうまく別れようとしたんですが、先方にしてみればせ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
真っ赤な火ばさみでつかまれたように、悲鳴をあげた。このばかばかしい悲鳴でKは男に
厭気がさした。自分が告訴されていることを信じないのなら、ますます結構だ。おそらく....
「変身」より 著者:カフカフランツ
そのために置いてくれたのだろうが、ミルクが全然うまくない。それどころか、ほとんど
厭気をおぼえて鉢から身体をそむけ、部屋の中央へはってもどっていった。 グレゴー....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
事のように書いてみた。二度目に苦心して書き上げてみたが、苦心をしただけに、すぐに
厭気がさす。なぜというに、小説を書くことは自分の宿志に背くと思ったからである。そ....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
子源之進と結婚することになり、婚礼の席へ臨んだ。ところが源之進が余りの醜男なのに
厭気がさし(長いこれからの浮世を、こんな男と一緒にくらさなければならないとは。厭....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
な。ところがどうだろうあの女を見てから――廻国風の娘のことだが――すっかり萩野に
厭気がさし、薄情ではあったがつッ放してしまった。……で、そういう訳なのだ。そんな....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
たいような気にもなる。
ああしたえらがる心持に学者はなれようが、
悪魔はとうから
厭気がさしているて。
(取り卸したる裘を振へば、蟋蟀、イタリアこほろぎ、甲翅虫....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
もなき無骨男、ぼうぼう頭髪のごりごり腮髯、面は汚れて衣服は垢づき破れたる見るから
厭気のぞっとたつほどな様子に、さすがあきれて挨拶さえどぎまぎせしまま急には出ず。....
「貧乏」より 著者:幸田露伴
ものだ、構うものかイ。だから裸で寝ていようというんだ。愛想が尽きたか、可愛想な。
厭気がさしたらこの野郎に早く見切をつけやあナ、惜いもんだが別れてやらあ。汝が未来....
「遺伝」より 著者:小酒井不木
っこり彼女をたずねましたら、彼女は顔色をかえて、「身の上ばなしをしたから、それで
厭気がさして来なかったのでしょう」と私を詰りました。で、私は「お前の両親を殺した....