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厳か
「厳か〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厳かの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ひっそりとなってしまった。するとその沈黙の中に、永久に美しい女の声が、どこからか
厳かに伝わって来た。
「私《わたし》がここに隠《こも》っていれば、世界は暗闇にな....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
苦悶の中に眼をあげてあたりを見た。まぶしい光に明滅して十字架にかかった基督の姿が
厳かに見やられた。クララは有頂天になった。全身はかつて覚えのない苦しい快い感覚に....
「妖術」より 著者:泉鏡花
も更まって、しばらく何事も忘れて、御堂の階段を……あの大提灯の下を小さく上って、
厳かな廂を……欄干に添って、廻廊を左へ、角の擬宝珠で留まって、何やら吻と一息つい....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
びついてきた。速水はそれを押えるのにまた骨を折らねばならなかった。その後ですこし
厳かな面を僕の方に向け、 「貴方にとっては『深夜の市長』は何でもないでしょうが、....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
は、口が利けず、耳も聞こえませんから、何もお話しなさってはなりませぬぞ」 と、
厳かな顔付をして附加えた。 そこへ王妖順が、一人の不思議な男を案内してきた。色....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
日米の国交は断絶した。 両国の大使館員は、駐在国の首都を退京した。 同時に、
厳かな宣戦の詔勅が下った。 東京市民は、血走った眼を、宣戦布告の号外の上に、幾....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
のだか訳の分らないいろいろな器械や器具を並べたて、見たところたいへん大袈裟でかつ
厳かだった。 こうして午前十時から、いよいよキヨ立ち会いのもとに綿密な診察が始....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
るが、入口の壁には、 “立入るを許さず。リバプール防諜指揮官ライト大佐” と、
厳かな告示が貼りつけてあった。 彼は、妙な気持になって、他所に宿を求めたのであ....
「流線間諜」より 著者:海野十三
。 「さて次は『赤毛のゴリラ』に対する宣告であるが――」と首領「右足のない梟」は
厳かな口調で云った。一座はシーンと静まりかえって、深山幽谷にあるのと何の選ぶとこ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
けりゃ許さんのだ。うむ、お貞、どっちにする、殺さないと、離縁にする!」 といと
厳かに命じける。お貞は決する色ありて、 「貴下、そ、そんなことを、私にいってもい....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
事業は失敗したか? なぜ又僕は罰せられたか?――それ等の秘密を知っている彼は妙に
厳かな微笑を浮かべ、いつまでも僕の相手をした。のみならず時々短い言葉に人生のカリ....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
た、死人のような妙子です。それが何故か遠藤には、頭に毫光でもかかっているように、
厳かな感じを起させました。 「御嬢さん、御嬢さん」 遠藤は椅子へ行くと、妙子の....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
ない内に、今度は彼の坐っている前へ、金の鎧を着下した、身の丈三丈もあろうという、
厳かな神将が現れました。神将は手に三叉の戟を持っていましたが、いきなりその戟の切....
「発明小僧」より 著者:海野十三
)(1)ニテ挟持シテ成ル「パチンコ」ノ構造。 こんなわけで、パチンコとて中々|
厳かなものでゲス。 芋焼器の発明 昭和五年実用新案広告第八八三四号(類別、第....
「墓」より 著者:秋田滋
はそれを静めるために並々ならぬ骨を折った。かくて法廷が再び静粛になると、裁判長は
厳かな口調でこう訊いた。 「被告には、申し開きになるようなことで、何か云っておき....