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厳命
「厳命〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
厳命の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
左に行こうとすると、闇をすかしていた仁右衛門は吼《ほ》えるように「右さ行くだ」と
厳命した。笠井はそれにも背《そむ》かなかった。左の道を通って女が通って来るのだ。....
「星座」より 著者:有島武郎
をさしてくるんだ。行ってこい」
清逸は我れ知らず威丈《いた》け高になって、そう
厳命した。
「お前、行ってくればいいでねえか」
薄ぼんやりと、しかもしぶとい声....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
モ・サムバ・チョウ》』とはお別れということになったよ。探検を、一時中止しろという
厳命がくだってしまった。それで、いま俺は返電をやったよ。お前らは、この俺に信頼が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のであった。 仇の神崎が果たして江戸に隠れているかどうかは疑問であったが、この
厳命を受けた彼等は毎日|暁六ツから屋敷を出て夕六ツまで江戸中を探し歩かなければな....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
り、百足の指物差した使番衆を諸隊に走らせて、諸隊その位置をなるべく保つようにと、
厳命した。 柿崎隊と典厩隊との白兵戦は川中島の静寂を破り、突き合う槍の響き、切....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
ねいに礼をした。 「おい君」と課長は成宗巡査を呼び「一切誰にも会わしちゃいかん。
厳命だ」 「は、はい」 成宗は身体を縮めて、ちらりと蜂矢の方を見た。蜂矢は知ら....
「火星兵団」より 著者:海野十三
監はどんな目にあおうとも、ぜひとも、警官隊でもって、火星兵団をつかまえるようにと
厳命しておられるのだ」
「課長さん。それはどう考えても無理な話ですよ」
と、新....
「火薬船」より 著者:海野十三
船長、大の御立腹ですわい。いまも船からの信号で、竹の手足をしばってつれもどれとの
厳命ですぜ。ようがすか」 「ふむ、そうか。竹見……いや竹の手足をしばってつれもど....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
また一般にも、言葉をつつしみ、ことに飛行島の方に川上機関大尉のことを洩らすなとの
厳命だ。のう、分かったろう。分かったら、そのまま引取ってくれ」 艦長は、長谷部....
「死者の書」より 著者:折口信夫
である。 そう言う家々では、実例として恐しい証拠を挙げた。卅年も昔、――天平八年
厳命が降って、何事も命令のはかばかしく行われぬのは、朝臣が先って行わぬからである....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ら引摺出して店前で撲殺し、かつ徳永を飼主と認定するゆえ即時に始末書を警察へ出せと
厳命した。丁度二葉亭は居合わしたので不法を詰ってかれこれ押問答をすると、無法にも....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
天霹靂の如く発布された。危険と目指れた数十名の志士論客は三日の間に帝都を去るべく
厳命された。明治の酷吏伝の第一頁を飾るべき時の警視総監三島|通庸は遺憾なく鉄腕を....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
黙って知らぬ振りをして居りますと、番兵らしい者が出て来て、「柵外に出ろ」といって
厳命を下した。「私は総理殿下の命令で今日遇いに来いといわれたから来たので、私は出....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
エセックスがもし艦隊のなかに今いるならば、安全に宮廷に送り届けらるべきこと、朕は
厳命す。もし、この命を怠るときは罰するところあるべし。こは児戯に類することにあら....
「西航日録」より 著者:井上円了
本館倫理科講師所用の教科書に関し、教授上不注意のかどありとて、教員認可取り消しの
厳命あり云云。余これを聞き、国字をもって所感をつづる。 今朝の雪畑を荒らすと思ふ....